絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

あっちゃんの足音

晩御飯が終わって、ソファに腰を下ろしたその時、リビングのドアが音を立てて揺れた…かと、思うと足音…

が、聞こえたような…


扉に目をやり、その真っ直ぐ先の台所のガスコンロの上の換気扇を見た時、胸が苦しくなった。


あっちゃんが足早に入って来た。(家の中で煙草を吸える場所は換気扇の下だと決まっていた。)消し損ねた煙草を咥え、急いで換気扇のスイッチを押し、せかせかと煙草の煙を吐き出している。

その姿が見えたのだ。

確かに見えたような…

ひっそりとした家の中

私だけの声が・・・・

時折響いている…


「あっちゃん!今からお風呂に入るね。」


「あっちゃん!寝るね。」


「あっちゃん!行ってくるね。」


「あっちゃん…ただいまー。」

・・・・って。

「おうっ」って、

返してくれないかなあー。

一回でいいから。


「おうっ…」って、

でも、聴こえたら…驚いて、腰を抜かしてしまうかも。

「ぎゃー!」って、叫んでしまうかも。

あっちゃんは、きっと私の声

聴いているはず。

腰を抜かさないように、小さな小さな声で…答えているはず。

「おうっ」って…

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