絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

私の名前をした船

突然!船の免許が取りたいと言った。

その年の夏…船を買った。

船には私の名前をつけた。

あっちゃんは、休みの度に船に乗った。

船釣り。

そして、誰にも邪魔されず海原の中を滑ることを楽しんだ。


海…

見渡すかぎりの水面…太陽の陽を反射してそれはそれは眩しい・・・

風を切り進む爽快さ・・

エンジン音と波の音だけ…

それが…心地よい。

言葉なんていらなかった。


あっちゃんと娘と私…それだけでよかった。

目と目が合って微笑む…それでよかった…。

日に焼けたあっちゃんは、かっこよかった。そうそう…その時も、いつも右手には、缶ビールがあった。

夏休みには、娘の友達四、五人連れて無人島へ海水浴…へも行った。


キャプテンのいなくなった船。

今でも港に繋留してある。

コンビニを始めてから、大好きだった船に乗ることも…魚釣りに行くことも…なくなっていた。


私の名前の船は、

もう動くことはない。

動けない。

あっちゃん…

幸せだったよね。


あっちゃんとただ…

ただ海だけを二人でもう一度眺めたかったなぁ。

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