絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

トゥルースリーパー

あっちゃんが使っていたトゥルースリーパーのマットレスと枕…

押入れに無造作に詰め込んだままになっていた。

毎日…睡眠不足だったのだろう。

毎日…コンビニのこと、それに関わる経費のこと、借金のこと…悩みも尽きることがなかった訳だから。

その悩みから少しでも解放されたくて…買ったのだろう。


ある日、布団に敷いてある見慣れない物に気づいた。


私達二人は、財布が別々だったので、お互いの貯金、財政事情・・全く知らなかった。ましてや、いちいち…それぞれが購入する物なんて気にもしなかった。

気づけば・・新しいコートを着ていたり、靴を履いていたりなんてことは、日常茶飯事だったから。突然、大型テレビがやって来たこともあった。だから・・・


報告もなければ、報告もしない。


コンビニを始めてからそうなった。それまでは、我が家の大蔵大臣は私だった。何を買うにも私の許可が必要だった。ビール一本…私の許可が要った。


私が大蔵大臣だった頃は、晩酌には、お酒とつまみが毎日あった。堂々と美味しいお酒が飲めていたので、トゥルースリーパーなんて物は・・・必要なかった。直ぐに眠りに就いていた。

ぐっすりと…


トゥルースリーパー…に、頼るようになった頃から…何もかもが・・崩れ始めていったのかもしれない。

このトゥルースリーパーで熟睡できた日は、どのくらいあったのだろうか。 深い、心地良い睡眠ができた日があったのだろうか。


トゥルースリーパーは、ズシッと重かった。

あっちゃんの汗や涙…悩みや苦労の重さだろうと思った。

そっと…

それに、身体を埋めてみた。

しっとりまとわりつくような感覚がした。

枕に顔を埋めた。

あっちゃんの匂いがした。

一年経ったのに…まだ・・

今日から…使ってみようと思った。

あっちゃんの汗も涙も…受け止めてくれたから…

きっと…この哀しみも和らげてくれるかもしれない。

枕カバーは、あっちゃんのシャツで作った。


明日という日が優しく迎えられますように…

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