絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

誰が何と言おうと哀しいものは…哀しい

「あっちゃん…寝るね。

おやすみ。」


リビングの電気を消し、辺りをそっと見回し…静かにドアを閉める。


廊下のスイッチに手が届くまでの一瞬…ほんの一瞬・・・

家中…当たり前だけど、真っ暗な暗闇に包まれる。


毎日…毎日…真っ暗になる。

毎日のことなのに…

いつも…この一瞬が嫌いで…哀しくてたまらない。

一人だ…ということ・・・

あっちゃんがいない…ということを、この「暗闇」が、情け容赦なく教えてくれる。


分かっていても、

哀しいものは…

誰が何と言おうと哀しい。


寝室に入って、明かりを付け、見もしないテレビのスイッチを押す。

寝室のドアはいつも開けっ放し…

あっちゃんが生きていた時からずっとそうしてきた。

ドアが開けっ放し…なのには理由があった。あっちゃんが「居る」ことを「生きている」ことを…確認する手段だった。

コンビニの仕事を終え、夜中に帰って来るあっちゃんが眠りに就く時刻はまちまち…。

「帰ってきた」こと、「眠っている」ことを…確認するために…。

睡眠時無呼吸症候群だったから。


体調があまり良くないことも…

眠るために飲んでいたお酒のことも…何となく…分かっていたから。


ドアを開けて…

「息してる。」って…

「生きてる。」って…

確かめたかった…。

夜中に目覚めた時、寝息やいびきが、聞こえて来ると…

「帰って来てるんや。」

「寝てるな。」って…安心できた。


寝室に明かりがついていると・・ホッとした。


「ここに居る…よ」って…証。

「生きている…よ」って…証。


今も…開けっ放し…。

もう…聞こえてくるものなんてないのに…。明かりが灯ることなんて永遠にないのに…

今日も…今からリビングの明かりを消す。


また、さみしい暗闇が来る…。

今日もドアを開けっ放し…

あっちゃんの声…

聞こえてこないかなぁ。

今は・・・

「傍にいるよ」の証が欲しい。

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