絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

風の電話

自分を許すことができたら…

生きてゆけるかもしれない…

今よりは・・・少し気持ちが楽になるかもしれない…

「風の電話」のことを知った。


白い電話ボックスの中にある一台の黒電話は、受話器を握る人の…大切な人だけに・・・繋がる。

それは、岩手県大槌町の海を見下ろす丘にある。震災で会えなくなってしまった家族や友人ともう一度「話をしたい」「想いを伝えたい」と願う人達がここを訪ね、線の繋がっていない受話器を通して、「会話」をすることができる場所…。

私も行きたい…と思った。

自分の本心と向かい合える場所。

腹の底から…泣いてもいい場所なのだろう。

その「風の電話」で、あっちゃんとも「会話」ができないだろうか。

話してみたい・・・。

『あっちゃん…

どうして死んだの?

こんなにも…早く別れなければならな かったの?

大変だったよ。この1年・・・』


涙…涙で「会話」にならないかもしれない…


『今はのんびりできていますか?

あっちゃん…。

いろんな事…沢山…貴方の胸だけにしまい…黙ったまま…一人で逝かせてしまったことを、ずっとずっと悔やんでいます。

申し訳なくて。

私自身に腹が立って。

それが、苦しくて…苦しくてたまらない。


死んでしまいたい…と、何度も思ったよ…。今も…・・・。

だけど、誰よりも…私が、「遺された者の気持ち」…大切な人の死の「息ができない程の哀しい苦しみ」を知っているから・・。


もう少し…生きてみる。

貴方が一番愛している

娘のために…

だから…生きるために…

私を許して欲しい。』

と・・・懺悔し…懇願しよう。

「風の電話」…

「風の声」…になって、

この家の窓を叩き、私の耳元で…そっと囁いてはくれないだろうか。

『おぅ・・きっと、うまくいく。

ゴン…幸せだったぞっ』って…

風に紛れて・・・

貴方の声が聞こえたら…


次の一歩が…

踏み出せそうな気がする。

「許して…」

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