絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

許せない秘密

人は海を眺める時、何を思うのだろうか。

近頃私は、娘が小学生だった時に、三人でよく行った海に向かって車を走らせる。自然と足が向かうと言っても過言ではない。

海を何時間でも一人で眺めているのだ。


そんな行動をとるようになったのは、あっちゃんが死んでからだ。

昔の思い出を探しに行くわけじゃない。あっちゃんの在りし日の面影を求めて行くのでもない。


海を見ていると、捨ててしまいたい物がはっきりするから。

海を見ていると、今こうして悩んでいることは、ちっぽけなことなんだと感じることができるから。

海を見ていると、「私は一人なんだ。」と辛いけれど、そう思わされる。自分の足元は、自分で固めるしかない。と、そんな気持ちになったりもする。すると、自然と涙が出てくる。涙が出ると、私を裏切り、どん底に落としたあっちゃんを恨めしく思う。

そして、また悔しくて涙が出る。

その涙は、やがてだんだん温かくなり、不思議とあっちゃんが愛おしくなってくるのだ。そして、あっちゃんの名前を叫びながら泣く。

その繰り返し・・・・。


海は、私の浮き沈みの激しい心をありのままに受け止めてくれた。



あの日は本当に驚いた。

我が家に来たのは、いつもの担当者だけではなかった。

「お電話いただいた時に、奥様はご存知ないのかもしれないと思いまして、今日は、二人でお伺い致しました。」


「は・・ぃ?」


「実は、ご融資していたお金がありまして。」


「ご融資?」

「はい。」

上司と思われるほうが、名刺を出し、数字を書き始めた。


「一、十、百、千・万、十万・・・

?? 」


「何この金額!」

家を買ったわけじゃない。車だって、13年式のオンボロ車。一体何に・・・・・?

全く分からなかった。

彼が、お金を借りていたなんて本当に知らなかった。必要ないのですから。我が家にはそんなお金は。

思い当たるとすれば、コンビニだった。コンビニに必要なお金?

何に使ったのだろうか。あんな大金!

本当のところはあっちゃんしか分からない。



しかし、全く気づかなかった。

そして、とにかく、その額に驚いた。

保証人の欄には誰の名前もなかった。

「御主人様は、ご家族の方に迷惑がかからないようにと、思われたのでしょう。」

「いや。十分迷惑がかかっているから。」


返せないよ。このお金・・・・。

黙ってお金借りて・・・

腹が立って腹が立って・・・

訳が分からなくって・・・

悔しくて仕方なかった。


知らずにいた自分に腹が立って泣いた。

あっちゃんに、腹が立って泣いた。

許せない!



あっちゃんが・・・。自分が・・。



でも・・でも、どうすることも

できない・。

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