絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

あっちゃんと蝉

もう…蝉が鳴くんだ。


7時を過ぎ、辺りもしらじらとし始めた頃、蝉が一斉に鳴き始めた。まだ、梅雨も明けていないのに…と思いながら窓を閉め、エアコンのスイッチを押した。そして、蝉の声が聞こえる方に耳を傾け…、 私はあっちゃんを思い出していた。


「食べたい物がある。」と、あっちゃんに電話をすると、

「メールを送れ」と、言って直ぐに切られた。

だから私も、

「柿ピー、ガーナチョコ、おかき」と…だけ送った。


あっちゃんはいつもコンビニの袋に3つのお菓子を入れて、私の枕元に置いてくれた。


そんな或る日…

その日は仕事から帰ると、あっちゃんが丁度、仕事に行く支度をしている時だった。

「行ってくるぞ。」と…言ったかと思うと、玄関を出る時、

「ポットの横にあるおかき入れのおかき、食べてええぞ。」と叫んだ。


(きっと…ニヤニヤ笑っていたのだ ろうなー。)

「ありがとう。いってらっしゃい」って…私も叫んだ。


山積みにされているおかきを遠目にチラッと見た。丸いおかきだった。私は塩味が好きだ。しかし醤油味のような色をしていた。

「まあ…いいや。」


しばらくして、

一つ…手に取ろうと近づいた時…

唖然!

「あっー!」

「あっ。やら…れた!」

蝉の脱け殻の山… 山…

「気持ち悪い……」

サランラップに包まれた

蝉の脱け殻…

思わず…笑った…。


あっちゃんは、

お茶目なイタズラも…

オシャレなイタズラも…

サプライズも…

さらりとやってのける人だった。


一緒にいて本当に楽しかった。


そんな人のこと…

諦められますか?

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