絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

延命治療は誰のためにするのか。

ソファで寝そべった視線の先に、台所の換気扇が見える。

そこで…上を向いて煙草の煙を吹かしていた。

お酒に煙草…両方とも大好きだった。

「どっちか止めたら?」

「酒は止められるけど…煙草は、無理じゃのぅ。」


入院すると必ず個室。

そのバスルームで煙草を吸っていた。吸い終わると、消臭スプレーを振りまく。臭いを消すために…。誰になんと言われようが、医師に注意されようが、止められなかった煙草。

緊急入院した12月29日。

その日を境にあっちゃんは、禁煙。勿論禁酒。煙草のことを忘れているようだった。隠れて吸おうともしなかった。お酒のことも…

もう…本来のあっちゃんではなかったのかもしれない。


あの…12月29日からは・・・。


昏睡状態…目覚め・・・この繰り返し・・・。

そんな状態でも生きているだけでよかった。

しかし、24時間の命と宣告を受けたあの日…私達家族は、あっちゃんに内緒で延命治療を断った。

医師の話を聞いた上で出した結論だが・・それが正しかったのかどうかは分からない。


もう…おしっこも出なくなっていた。身体中…膨らんで可哀想だった。

でも…もしかしたら・・・延命治療を受けていたら後一ヶ月でも…一週間でも、少しでも生きられたのかもしれない…

肝臓移植という手段は考えられなかったのか…

幾度も幾度も後悔した。


無念だっただろう。あっちゃん。


だから…1日も早くあっちゃんに逢いに逝きたい。

煙草とお酒を持って…。今日は、やけに心が沈む・・・

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