さようなら・・・コンビニ
本、コップ、メモ帳・・・・一つ一つ・・・が、語りかけて来て、涙で何もできない、進めない日を送っている。
コンビニとの契約が終了した。
その日、久しぶりにコンビニに挨拶に行った。
あっちゃんは、店の角にある吸い殻入れが置かれた場所でよく煙草を吸っていた。お客さんと話しながら・・・よくそこに立っていた。
事務所の中は、あっちゃんが、いた時より少しだけ綺麗に片付けられていた。
でも、やっぱり廃棄商品の山だし、雑然としているし・・・。
よく見ると、お気に入りの椅子が、揺れている。さっきまで誰かが座っていたのだろう。
あっちゃんは、椅子に座って片肘ついて頭を抱え毎日沢山の発注をしていた。疲れたら椅子にもたれかかり背伸びをする。
まだ、あっちゃんがいるようだった。
いま、ここに居ないのは、
「はっはぁ〜ん。また、煙草吸っているなぁ。」なんて、思わせるほどそこは
、全く変わっていなかった。
そっと腰を下ろしてみた。椅子からかすかにあっちゃんの臭いがした。目を閉じ椅子を揺らした。
「お疲れ様でした。」小さい声でつぶやいた。思わず涙が出た。
あーぁ。
もう、ここにも い な い。
コンビニとの話し合いは、今日で終わったわけじゃない。今日からが本番だ。これから、どれだけお金の請求がくるのかと思うと・・・・怖くて怖くて。
「あっちゃん、助けてよ!」
挨拶をして、足早に去った。
思い出はあるけれど、どうしても居心地の良い場所とは言えない。彼の苦しんでいる悩んでいる姿が浮かんでくる。
命を削った場所・・・・だから・・・
そして、私にはやらなければならないことがある。
「引っ越し」のための準備。
いつ・・・でも、出ていけるように。
この家から・・・・
片付けは、3月29日から始めた。一向に進まない。
21年間の家族の生活蓄積物は多すぎて、思い出はあるし、なかなか捨てられない。
あっちゃんのメモ書きが出てきたり、写真でも出てこようものなら、もうその日の片付けは、終わりです。
涙・・・・涙で・・・できないのです。
1年は、かかりそう・・・
大丈夫かなあー!
弁護士にお願いしてみよう。
ゆっくり片付けさせて!と。