愛しているから・・・・
片付けても・・・・
片付けても・・・・
後から、後から出てくる。
ゴミと言えば、ゴミの様な・・・何とも、捨てがたい大切なゴミが。
21×2+13=55
今年の誕生日が来たら、あっちゃんは55歳。彼の年齢と同じ数。
たわいもない、偶然の一致にもかかわらず、 思わずこの数の不思議に頬が緩む。
人間には決められた「定め」があるかのようにも感じる。
緊急入院や突然の死、そして、多額の借金の発覚。突然降りかかってきた絶望の雨?・・・・も、決められていたことなのだろうか。
私は、何もかも予測していなかったことに、「 あっちゃんの裏切り」を感じていた。
でも、こうして、3人で暮らしたこの家に、「さよなら」しながら片付けていると・・・、
娘が保育所に通っていた頃の絵や鞄が出てくる。思わず胸に当て・・・
泣いてしまう。
「あれ?
これは泣くところじゃないだろ?」って、独り言。
バービー人形の頭はハゲ頭・・・・
思わず、笑ってしまう。
日記帳に、ノート・・・・自作の漫画や小説まで。手を止め、夢中で読む。泣いたり可笑しくなったり結構忙しい。
そして、そっとあっちゃんのタンスを開けてみる。「止めた」と、言って閉める。
昨日からの雨で、部屋がタンスの中が湿っぽい。だからなのか妙に臭う。あっちゃんの香水の匂い。
あっちゃんと暮らした家
あっちゃんの居場所
あっちゃんの好きだっだ本、香水、服・・・・は、
私たちの荷物の邪魔をしないように・・・・主張はするものの遠慮深げに置いてある。
そうだった。
いつも、自分のことより私のこと。
「どこ行きたいんかあ〜。」
「何が食べたいんかあ〜。」
「ええぞ。俺がする。心配すな。」
あっちゃんは、ただ家族の笑顔が見たかったんだ。
あっちゃんは、ただ自分の事で心配かけたくなかった 。
あっちゃんは、きっと自分一人で解決しようと思っていた。
自分一人でなんとかしようと・・・
家族が笑っているために・・・・
私と娘の笑顔だけを見るために・・
泣き顔を見たくないから・・・。
言えなかっんだ。
体のことも。お金のことも。コンビニのことも。
私達の笑顔を消したくなかったから。
嘘を・・・死んでからも突き通していたんだ。
愛していたから、裏切っていたんだ。
切なかっただろう。
苦しかっただろう。
今の私より、何倍も。
ならば、受けて立とうか。
今から、コンビニのSVに電話してやる!