私の居場所
無駄なことだとは分かっていた。
だけど、
伝えたかった。
ただ知って欲しかった。
胸が張り裂けそうな悔しさと悲しさを少しでも分かって欲しかった。
できることなら、私の胸を切り裂いて見せてやりたいとも思った。
しかし・・・
「こちらはそんな負担は一切お願いしていませんから・・・・。」
人件費、廃棄の金額、オーナー、店長の仕事量・・・つまり、経営者の力不足・・・・・だ・・・
分かってる。分かってるから・・
何万件というコンビニの中のたった一つの店のオーナー、店長にすぎない。という訳だ。
だけど家族にとっては、世界中でたった一人の父であり夫であり息子だったのだから。
電話を切った後、言った。
「人殺しっ」・・・・・
何度も何度も、小さな声で・・
言った。
そう言って、
余計に・・・・悲しくなった。
私が、いけなかった。
そうよ。私がいけなかったんだ。仕事のことも体のことも、一番私が分かっていたはずなのに・・・・
私は、あっちゃんの一番の理解者でも、支援者でもなかった。
本当に・・・ごめんね。
私が・・・
私が、あっちゃんを裏切っていたんだ。
裏切り者は、私だった。
この・・・家には居られない・・
私は何処に行けばいいのだろう。