絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

あっちゃんを探して…

そうそう…冬の海は、夏の海より輝いていたのを忘れていた。


海を…海だけを眺めるためにこの場所に来るようになったのも…こんな寒い日だったような気がする。あっちゃんがいなくなって休日に何もすることがなくなった。

家の中にいるよりも…気が晴れるのではないかと思い車を走らせ、辿り着いた所は、娘が小さかった時によく行っていた海だった。公園もあり…そこで遊んだ。春には桜が満開になり、その桜の樹の下でお弁当も食べた。


そう言えば、娘が嫁ぐ年の3月、娘の友達が我が家に遊びに来た。2、3泊して帰る時、車で大阪まで送ることにした。

その時、私は朝早く起きて、四人分のお弁当を作った。

四人…分…


娘と友達と私…そして、あっちゃん…。春とは言えまだ肌寒い日だった。お弁当を食べる場所は決めていた。まだ桜が開花するには少し早かったが、車を海に面して停めた。

もちろんこの海。

この海でお弁当。

お昼ご飯だ。


四人で食べた…。たまに、外に出て冷たい風を感じながら…


この海で・・・。海を見ながら…

まだ硬い桜の蕾を見ながら…

私達四人は、

桜の花以上に笑顔満開で・・


この海であっちゃんとお弁当を食べた。

まさか…あの日が、

ここへ来るのも…

お弁当を食べるのも…

一緒に桜の蕾を見るのも…最期になるなんて・・・思わなかった…。


私は…あっちゃんの生まれ育った所で今でも暮らしている。だから…今だによく2人で来た路地に入ったり、一緒に行ったお店の前を通ったりすると、もしかしたら…と、あっちゃんを探す。道に迷って帰れないのではないか。私に怒られそうで帰るに帰れない状況なのではないかと…

まだまだ…この街のどこかに居そうで…。


でも…あれから2年…あっちゃんの姿を…似た姿にさえ出逢えたことがない。


まだまだ桜も先…の先…。

今日から毎週ここに来よう。

キラキラ輝いている海を見てるだけでも…あっちゃんを感じられるから。

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