コンビニが消えた…
高速に乗るインターは、上りに進もうが…下りに行こうが…決まっていた。立ち寄るコンビニも決まっていた。
そのコンビニは、インターの手前直ぐにあった。そこでコーヒーとサンドイッチとチョコを買って、ETCカードを挿入して・・・いざ出発。これが旅の始まりだった。
あっちゃんは、暫く吸えない煙草をそのコンビニの店頭で気持ちよさそうにいつもより長めに吸っていた。
そのコンビニが、いつも…旅のスタートでありゴールでもあった。
そして…今日も…
コンビニに寄ろうと、車を右車線に変更させた。
ウインカーを出して曲がろうとした時、車の進入を阻むロープが目に入った。
「なんか…おかしい。」
「いつもと感じが違う。」
時刻は、午後5時を過ぎている。天気が悪かったせいかいつもより薄暗い。しかし…その全容はしっかりと見て取れた。
コンビニの殆どにビニールが張り巡らされていた。コンビニは、外観の殆どがガラスなので、破損されないようにとの防御だろうが…。
そこには人の気配も…
人が作り出す明かりもなかった。
高速の出入り口に沿ったコンビニだったので、長い連休…子ども達の夏休みや冬休みともなれば、かなり賑わっていたように思ったが…。
そのコンビニが閉ざされていた。
約10年ぐらい続いたのだろうか。噂ではコンビニ経営するには、少し若過ぎるぐらいのオーナーさんであるとも聞いていた。
しんどいよね。
コンビニ経営。
体も心も…ボロボロだよね。
悲しくなった。
寂しくなった。
がらーんとした一角が…。
また1つ…無くなった。
あっちゃんの足跡が
消えてしまった…