絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

私はさくら

やっぱり来た。

この場所に。

砂浜に面して植えてある桜の木・・・

地面に落ちるのをためらっているのか少しだけ残っている桜の花が、吹いてくる潮風に抵抗してしがみついている。

枝は、そんな花びらの細やかな願いも知らず、ただ悠然と風の流れに逆らわず自分の体をしならせている。

力尽きた花びらは、砂浜から巻き上がる砂に混じって舞い上がる。


そして、地面に落ちる。


ここで過ごした28年の月日。

娘は、吹いてきた希望ある春風に乗って、自分の居場所 へと飛んでいった。

私は、枝は折れてしまっているのに、まだ必死で掴み離れようとしていない諦めの悪い「さくら」だ。

吹いてくる風にも抵抗し、舞い上がる砂は手で覆い身を隠す。

ここで今まで通り生きていける訳がないのに。


風の流れに逆らわず、飛んでみようかなあー。

ぎゅっと掴んでいないで、そっと手放そうなかあー。

そうしたら、

心が軽くなれるのだろうか。

そうしたら、笑えるのだろうか。


あっちゃんは寂しくないだろうか。

私が手を放したら・・・・



今、また、私の目の前を花びらが飛んでいった。


歌っているように見えた。

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