ママー!頼って下さい!
ようやくウトウトし始めた。
電気を消し、スタッフルームは、パソコンの青い光が異様に光っているだけとなった。
パソコンをシャットダウンすると、部屋の中は真っ暗になる。何方かと言えば、寝る時は真っ暗な方が寝やすいのだが…。
寮の中ではいつ何が起こるか分からないので、直ぐに行動できる為にも最低限の明かりが必要となる。
スタッフルームには、小さな間接照明もない。だから私はいつもパソコンを付けっ放しにして横になる。
勤務し始めて2ヶ月が経とうとしている。宿直も11回経験した。しかし…そこでの夜は、なかなか眠れない。
そんな…夜中3時を回ってウトウトしていると…
容赦無くドアを開ける音!
「ママー!」
薄暗い中浮かび上がったシルエット
「さくらさん!シーッ!」
「センセーイ!」
「さくらさん部屋に入ります。」
「ママー!」
暗闇の中、背中を撫でながらさくらさんの居室に行く。そして、ベットに横になったさくらさん(小学4年生)と手を繋ぐ。そして、トントンする。するとしばらくすると優しい寝息が聞こえる。しかし、寝息になったからと直ぐに離れたらまた、
「ママー!」の繰り返し。だから…
しっかり眠るまで手を握って、トントンする。
口答えしたり、反抗的な態度取ったり、何度言っても約束破られたりするけれど・・・私には13人の子どもができた。
「義香さん!明日宿直?」
「そうよ。」
嬉しい!よろしくお願いします。
そう…言ってくれるんです。
だから、夜中に起こされても…我慢・・・我慢です。