おまけの人生
心の半分以上がえぐり取られてしまったから…、
私は随分変わった…と思う。
60になっても…70になっても…
私が死ぬまで一緒にいられるだろうと思っていた人が・・
「ごめんね」も言わないまま…
許してもいないのに…
こんなにも早く…先に逝ってしまったのだから、心も、私自身も変わってしまっても仕方ないだろう。
あれから…
生きては…みた。
たった2年と8ヶ月だけど…
こんな世の中で、
あっちゃんが居ない世界で、
生きるためには・・・
今迄の私のままでは…
生きられなかった・・・。
だから…
1人でも生きられる場所を探した。
いつの頃からか…幸せを積み重ねていく場所は必要ないと思うようになった。
いつの頃からか…日にちをただ…ただ積み重ねていくだけでいいと思った。
世の中のあらゆる執着心が薄れ、自然と一体化したような…そんな気持ちにさえになっている。
良いのか悪いのか分からないけれど…、
あんなに山ほどあった雑念が、少しずつ少しずつ剥ぎ取られていくようにも感じた。
それでも…夫婦と言う言葉に過剰に反応したり…、
「夫がね〜、」って話し出すと耳を塞ぎたくなったり…家族がテーマである番組は見ないようにしたり…まだまだ気持ちは不安定だけど・・・
こんなにも解き放たれたような気持ちになることがあろうとは…思いもよらなかった。
あっちゃんがいないこの世界は、一生懸命生きる必要などない。私にとって、おまけの人生だから…
ありのままに・・・っと。
「哀しみ」がくれた…
たった1つの贈り物は、
「諦める心地良さ」だった。