「お父さん…」が、消えた。
先日…娘の旦那さんの父親の…
娘にとっては、お舅さんの誕生日だったそうだ。
娘婿は4人兄弟の末っ子で、父親は、来年で70歳になると言う。
娘婿は、結婚する2年ぐらい前から転勤でこの地に来ているので、かれこれ地元を離れて4年ぐらいになるのだろうか。
そして、言ったそうだ。
娘に…何気なく言ったそうだ。
「後・・20回ぐらいかなぁ。
父さんに会えるのは…。」
「20回⁈
いいね。
私は、0回!」
私は時として、夫だけが死んでしまった、と…錯覚していた。
「夫が死んだ」同時に、
「父が死んだ」のだ。
私が14年前に母を亡くした時、何が1番悲しかったって…言えば、
「お母さん」と…言う言葉を2度と使えなくなることが「哀し」かった。
「お母さん」と…呼べないこと。
「お母さん」と…呼べる人がいなくなったこと。
どんな言葉より温かくて優しい言葉なのに・・・
「お母さん」と言えなくなってしまった。
そう考えるだけで哀しかった。
心細かった。寂しかった。
娘には「お父さん」という言葉が、なくなってしまったんだ。