絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

死んでしまった家…

季節は、一つ変わっていた。


流れる道のところどころで、ピンク色の桜の花が、まだ遠慮がちに咲いているのを見た。


もう必要でないだろうスタットレスタイヤの履き替えをする為に、休日だった今日…家に帰ることにした。


一人で帰るのも…と躊躇した私は、娘となっちゃんを誘うことにした。あいにくの雨だが、約2時間のドライブは、途中のパーキングによって、美味しい物を調達したり、飲んだり話したり…なかなか楽しいものであった。


前回は、一人で帰った。

帰ると、同じ敷地内に義父母の家がある。挨拶ぐらいはしない訳にはいかない。挨拶をすれば、ちょっとした近況報告も・・となる。


仏壇に手を合わせる。

コーヒーの一杯でも頂かないことには帰れるはずもなく…余り居心地のいい時間ではない私にとっては、快くおもてなしをして下さる義父母の顔も、どこか気を遣い…しんどそうにも見えてくる。

小一時間も経てば、脚がムズムズ、心はソワソワ…

「そろそろ…・・・」と、いうことになる。


今回は、娘となっちゃんがいた。



私は、家族三人で暮らした家に入った。時々義母が有難いことに掃除をしてくれている。しかし、生活者がいないこの家は、もう…新しい空気の匂いがしなかった。


あっちゃんがいなくなって、一人でこの家に住んでいる時、

「ただいま…」っと言って泣いた。


「行ってきます…」っと言って胸が痛んだ。


だけど…今日・・・


「ただいま…」っと言っても涙が出なかった。


2人の思い出が詰まったこの家に暖かさは、すっかりなくなっていた。

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