あっちゃんの代わりに…
結婚してから、私の人生の羅針盤はあっちゃんであったと・・・話したことがある。
岐路に立った時
迷った時、結論を出す時…
私の心では決まっていたとしても、必ずあっちゃんの考えを聞いた。
あっちゃんの一言は、私の次の行動を起こす為のスイッチだった。
信頼していた。
大げさに話すことも多かったけれど彼の話には夢や希望があった。
人が喜ぶ顔を見るのが好きだったから。
優しい人だった。
私に対してだけではない。
誰に対しても・・・。
ある日…
となり町で山火事が起こった。
3日目燃え続けた。それを知ったあっちゃんは、自分のコンビニで売っいるおにぎりとサンドイッチやパンを全て買い取り、不眠不休で消防団として活動している友達の所(火災現場)へ持って行った。次の日も…また、次の日も。
同県にあるコンビニが、大雨のため被害にあったことを聞けば、直ぐに駆けつけた。
友達が県会議員に立候補すると、仕事が終わるとすぐに事務所に行き、必死になって応援、手伝いをした。
母は生前、この世は修行だと言った。
まさに人が80年かかって終わらせるはずの修行を、人よりもかなり短い時間で終結させたのだろうか…。
ゆっくりでよかったのに…。
そうして…
私の人生の羅針盤はなくなった。
そう思っていた・・・。
だけどこの頃…
少し灯りが見える時がある。
それは、まだ…私の足元を照らしては消え…消えては照らすほどの薄明かり。
少しでも明るい場所へ、進むべき場所へと誘ってくれる灯台のような灯りが…。
いつからか・・・
娘たちが少し離れた場所から、
灯りがを差しかけてくれていた。
それを今…少し感じる。
ありがとう…でも・・
まだまだ…一人で歩けるから…。