愛おしさが、益々膨らんで…
泣くことも以前と比べて…随分少なくなった。それは、けして哀しみが薄れた訳じゃなくて。
哀しみが、「愛おしさ」に少しずつ変わっているからだとこの頃感じる。
彼が倒れる2日前… 虫の知らせだったのだろう。急に彼のことが気になって…
「今日、背中流してあげるから…」って…結婚してから随分言っていない台詞を言った。
店に行く前にお風呂に入るあっちゃんに… 何か見えない力が.私にそう…言わせていた。
次の日も…そう…言った。
「背中…流してあげる…」
愛おしくて…
愛おしくて… まるで恋をしている様だった。あっちゃんに…。
愛おしくて…
だけど。その恋は少し違っていた。
熱く…赤く…ドキドキする愛ではなくて・・
今ここで手放したら…もう手の届かないところへ行ってしまう様な切ない愛を…あっちゃんに感じた。
消えてなくなりそうな愛を… 私は感じていた。
あの時…あっちゃんは私に…きっと「さよなら」を言っていたのだろう…とも思う。
私はただ…愛おしくて…
不思議な空気が流れているようだった。きっと…私も感じていたのだ。
明日も一緒にお風呂に入ろうね!って約束した。
だけど…その次の日緊急入院。彼はもう二度とお風呂に入ることはなかった。
今…また…あっちゃんのことが愛おしくてたまらない。
どうしてだろう。
頬ずりして…
ぎゅーって抱きしめたい。
会えないから…愛おしいのだろう。
もう一度…
あっちゃんに出会いたい!
始めからやり直したい。
恋の始まりから…、