絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

ダイヤはダイヤ

「それからどうしたの?」

こんなにも人と話したかったんだ。

あっちゃんのことを・・・・。

私は、職場では、プライベートなことはあまり話さない。あっちゃんが死んでしまってからは、全くと言っていいほど話さなくなった。

口を開けば・・・

「本当のこと」を話せば・・・

涙で話にならなくなりそうだし、話したところで私の心情を理解できるはずもないだろうし。

ならば・・・当たり障りない日常的な会話と仕事の話だけを・・と。


「今日、主人がねぇ〜、」と、言ってこようもんなら、スーッと姿を消した。

なんとも薄っぺらな人間関係だ。

でも、付き合いが長い仲間や私の現状をよく知っている人は、

「少しは元気になった?」

「ちゃんと食べてる?」って、私のことを気遣って話しかけてくれる。

「元気になれるか!!」って、心・・で言って・・

「ありがとう。なかなかねぇ。」と、返す。

話したところで・・

と、思うから。

木曜日弁護士に会う日だった。


ひと通りの報告を受けた後、おもむろに、


「どんな人だったのですか?ご主人は?」から始まった。

「大学時代に知りあったの?」


「はい。就職後3、4年の 遠距離恋愛を経て結婚しました。」

いつのまにか、携帯の中にある写真まで取り出して、出会いからコンビニを始める経緯、そしてお酒のこと、私を今一番悩ましている罪悪感まで・・


話したくて仕方なかったんだ。


トントン・・

ドアをノックする音


「 相談者の方が来られています。」と、事務員さんが入り口で言った。

でも、止まらなかった。

まだ話したかった。

一人暮らしのこと

義父母との確執

家のこと


そして、あっちゃんのこと・・

優しい眼差しで、私の目を見てうなずき・・・

「分かるような気がする」

と、優しく言ってくれた。


そう!!

誰にも分かるはずなどない。

絶対に。

でも想像することはできる。

だから、

「分かるような気がする」・・は、

適切な本当の思いだろう。


「ダイヤはダイヤでしか磨けない。」

「 人もまた、人の中でしか磨かれない。」


もしかしたら、いつか、いつか私も

人によって「変われる」かもしれない・・・と思った。この「絶望の淵」から、光の差す方へ進めることができるかもしれない・・・と。

とても穏やかな気持ちなって法律事務所を後にした。

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