絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

死の前兆・・

ヒトの赤血球は、約120日の寿命がある。この寿命が異常に短い状態を溶血と言うそうだ。

健康管理は、やっぱり妻がするものなのでしょうね。


緊急入院して、初めて知った。

ボロボロになっていたあっちゃんの体のこと。

緊急入院(昨年12月29日)の約2週間前の12月13日、夜中1時頃、あっちゃんはコンビニから帰ってきた。そのままお風呂に直行。それから数分経った時・・・!


ドスン!


何か大きな物が落ちたような音!

でも、すぐ分かった。


「あっちゃんだ。」

やっぱりそうだった。あっちゃんが倒れている。

意識がない。

「あっちゃーん!」

「あっちゃーん!」

何度呼んだだろう。

救急隊員が着く頃意識が戻った。

血圧が異常に低かったので、そのまま救急病院へ行くことになったが、休日で深夜。応急措置をして、その日は、病院へあっちゃんは泊まった。平日通院することを約束して帰って来た。

今思えば「倒れる」って分かっていたような・・そんな気がする。


そう思ったのには、訳があった。それは、その日からさらに約二週間前の12月の初めのことだった。

戻れることなら、

あの日に戻りたい。

私は、この日、あっちゃんを裏切った。罪を犯してしまった。

取り返しのつかない重い重い罪を。泣いても叫んでも・・・もう、どうにもならない。

仕事から帰宅したのは、夜7時ごろだった。

すると、かすかに・・

聞こえて来た!

それは、本当に蚊の鳴くような

小さくて頼りない声・・・

立ち止まって、耳を澄ました。


今にも消え入りそうな・・・声??

「ごーん・・・」

「ごーん・・・」

私を呼ぶあっちゃんの声。


急いで家の中へ、


「あっちゃん?」

「あっちゃん?どこ・・・?」


「ごーん・・」


あっちゃんは風呂場で倒れていた。体を動かすことができなかったようだ。

きっと、意識がなくなったんだろう。そして、意識が戻って、起き上がろうとしたんだろう。

でも、体が動かない。

誰もいない。

寒いのにお風呂場で倒れた時の格好のまま・・・

私が帰るのを待つしかなかっ時のあっちゃんの心を思うと・・・


私の車の音を聴いて、必死に叫んだに違いない。

「ごーん」・・・・って!


私は、この出来事を重要視しなかった。あっちゃんは、そのまま服を着替えてコンビニへ行った。


緊急入院をして、「溶血性貧血」の持病があると、聞かされた。

 溶血性貧血は、赤血球の破壊が軽度でゆるやかな場合は、症状がみられないことがあると言う。だけど赤血球の破壊が重度な場合や急速な場合は、貧血と似た症状が現れる。また、軽い黄疸症状が現れ、赤血球の破壊が数カ月以上続くと、脾臓が腫れて、腹部の膨満感や不快感、 リンパ節の腫れや圧痛、発熱などもあるそうだ。

あっちゃんの体の中で、赤血球がどんどん壊されていた。

人よりも速いスピードで・・

だから、青あざがいっぱいあったんだ。

だから、黄疸の症状が出ていたんだ。

だから、倒れたんだ。

私は取り返しのつかない罪を犯してしまった。


知識がなくても、なぜ疑問に思ったことを調べようとしなかったのだろうか。パソコンも、インターネットもあったのに・・・


病院へ引っ張って連れて行けばよかった。

それより何より、もっとあっちゃんを見ればよかった。話せばよかった。聞けばよかった。

何故そうしなかったのだろう。

これは裏切り・・・行為!?

そんなに緊急を要するなんて思わなかった。

まさか、死んでしまうなんて・・


自分自身の健康管理が悪いから。

お酒を止めないからって・・・。

あっちゃんを責めていた。

私が出来ること沢山あったのに・・


倒れた時、一人で、不安で・・

心細かっただろう。

だから、今

私が・・毎日・・・

一人を感じ・・・

今日もやっぱり泣いている。

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