絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

5分から3時間へ…

 何もなくなった部屋に立たずみ…

「引っ越したばっかりの時は、こんなだったなぁ…」…って婿殿。

 年を重ねるごとに、物が増え・・

愛する家族が増え・・・

 大切な思い出が増える…。


 ピカピカに拭き掃除した床に顔を写していたら自然に涙が落ちた。慌てて涙を拭きとり何もない部屋の隅に目をやった。


 一瞬…だったけれど、小さかったなっちゃんが見えた。そんな気がした。


 主人を亡くして…

 私は毎週毎週…

 高速2時間飛ばして…ここに来た。


 小さな小さななっちゃんに会うためだった。

 長い休みには1週間以上滞在した。

 私は主人に会えない寂しさや哀しさを、いつの頃からか、この場所で…埋めていったのだと思う。


 婿殿の屈託のない笑顔と娘と孫に会うことだけが…。


 私の唯一の喜びだった。


 一人になったけれど…

 一人じゃないんだ!と感じられる瞬間でもあった。

 私の生きる力とやる気になった。


 そして…

 主人が亡くなって2年が過ぎた頃、一緒の街で暮らすようになって…

 毎日のように…


 ここに来た。


 私のアパートから5分もかからない…この場所に来た。


 そして今日…




 娘家族が乗った車を見送った。


 私のアパートから高速飛ばして約3時間かかる所へ行った。


 毎日は行けないなぁ…と思った。

涙で見えなかったライン

 2日後に引越しを控えた娘から届いた久しぶりに長文のライン。


 誤字!

 脱字が沢山あります(私の部分)


 嬉しくて…

 そして、寂しくて…

生きていれば…会える!

 母が死んだ時…

「お母さん」と・・・  

「お母さーん」って…

 これから一生…呼べない!

 呼べる人がいない!…っと思ったらすごく哀しくて…。

 

 父が死んだ時…

何でも、「お父さん!頼んだよ!」って言うと、

「おっしゃ!」って返って来て…

 お母さんが亡くなって7年…。

 一人で頑張っていた。

 お母さんがいない実家へは年々足が遠のいて…。

 とうとう…

 帰る場所が消えた…。


 主人が死んだ時…


 一番行きたかったところが、

 お母さんがいる実家だった。

 

 玄関を出ると海が見えて…

 綺麗な橋が見えて…


 高校生の時は、

「こんなド、ド、ど田舎!に、なんで生まれたんだよぅ」なんて思ったけれど、結婚して子どもができて…年を取るごとに好きになった。


 お母さんがいる

 お父さんがいる

 自然が美しい実家に帰りたかった。


 だけど、

 主人が亡くなって…


 少しして…

 姉夫婦も長女のいるそして義兄の家のある九州へ引っ越した為、私達が暮らした家は売ることにした。


 だから…

 主人が亡くなってから…は、


 実家に帰ることはなかった。

 

 子供の頃からよく知っている田舎の知り合いに会うことも嫌だったし・・帰り辛かった…というのもある。

 

 故郷に帰っても、会いたい人に会えないから。

 両親はいない。

 姉も妹も九州


 そして、

 娘家族は明日…大阪だ。



 生きていれば…

 生きてさえいれば…


 いつでも会える…から大丈夫。