絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

娘の気持ち…

 父親に抱かれている娘…


 一人娘の我が子のことが大好きで…


 女の子なのに・・・


 春はカエルを捕まえに行った。

 夏はカブト虫探しに連れ出した。

     そして、セミを捕まえた。


 秋になれば幼虫を見つけ、家で飼ってみせた。


 小学生になったら海へ行き、釣りにも付き合わせていた。


 女の子なのに・・・


 いつも自分の側におき、自分が好きなことを一緒になってやって楽しんだ。


 父親にとって娘は、特別な存在。


 娘にとっても父親は、憧れの存在(そんな時期がある。)

 父親の頼もしさに、もう少し甘えていたかっただろう。


 父親を亡くした娘の心を時々思い…哀しくなる。

一年の終わり,命の終わり…

 あの年の暮れは寒かった。

 雪が降った…。


 病室の窓ガラスから、徐々に積もりゆくその雪を・・・

 一面を白く…真っ白に、何もかもを隠していく雪を…ただぼんやりと眺めていた…。


 私の横には、24時間の余命宣告を受けたあっちゃんが携帯を触っていた…。いつもと変わらない表情で。


 自分の命が「今日で終わる」事を知らないで…。

 絶食…

 永遠に続きそうな点滴…

 水分規制…の為水も飲めず…

 尿の量を測る袋をベットの横に垂らして…


 それでも…


「死ぬ」なんて…考えるはずもなく、来年には、退院できることを信じて…


 しんしんと降る雪のように…


 そこには静かな時間が流れていた。


 でも…本当は私は、

 今にも大声で泣き出しそうで…どこにどうやって吐き出したらいいか分からない不安で…恐怖で…何とも言えない…気持ちがあって・・・。


 そんな時、九州から姉と妹が新幹線に乗って来てくれた…。

 12月31日に…。


 明日は元旦だよ・・・世間は!


 どれだけ心強かったか!


 その時のお礼…


  まだ言ってないような気がする…

幽霊でもいいから会いに来て!

 時々…

 いや!しばしば…

 何もしたくない気持ちになる。

 何もできないほど疲れてて…

 

 一歩…も動きたくないほど…。


 明日は早出で朝5時半には家を出なければならないのに・・

0時を回っても夜中の1時…2時を過ぎても眠れなくて…「五分で深い眠りに就く」という音楽を聴いてみたりしたけれど10分経っても15分経っても…聴けば聴くほど…眠れなくて…


 こんな時想うのは、やっぱり、あっちゃんの事で・・・。

 そうすると、

 益々・・・眠れなくて…。


 結局、ほぼ徹夜状態で出勤する!なんてこと…も、時々ある。


 暗い部屋に一人でいる私…

 

 テレビの電源の赤いランプが不気味に光っている事に気づく。


「眠れないねー」

「ホットミルク飲む?」


「酒が…いい…」


 電気も付けず暗闇の中、あっちゃんがいるだけで安心した…。


 眠れない夜、

 暗闇の中でも

 あなたの声…が・・・

 あなたの息づかいが・・・


 あなたがいるだけでよかった。


 あなたがいるだけで…

 どんな夜も・・・


 眠れそうな気がする…


 この頃…

 本当に眠れない!

 

 お願いだから…夜だけでいいから…誰にも見られずに、闇に隠れて会いに来てほしい!