絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

切迫流産…

 《母親と娘って…よく似るんですよ。似なくていいところまで似てしまうんですよ。》


 私は、娘を妊娠して直ぐ「切迫流産」と診断され、絶対安静で3週間の入院を経て…娘をこの手に抱くことができた。


 それから3年後再度妊娠した。しかし4ヶ月検診の時に心音が聞こえないとのことで中絶の手術を受けなければならなかった。


 そして…


 その…

 私の体質を娘が受け継いでしまった。


 なっちゃんの時もゆりちゃんの時も「切迫流産」で1ヶ月間入院した。もちろん絶対安静。トイレ以外は立ち上がれない…。

 娘にしてれば、1ヶ月の公認の休養とあって…心配をしながらも上げ膳据え膳で…しばしの骨休めができたであろう。

 こちらとしても「寝ていてもらう」ことが安心な訳で・・・


 安定期に入るまでは、家族は大変だったが、新しい可愛い命の誕生を思うと…「なんのその・・」な訳で…。


 娘婿も私も…頑張った…。

 もちろん!

 娘も…

 お腹の中にいる赤ちゃんも…。


 愛おしい思いが「生きる力」を膨らませた。


 私は思う。

 

 娘には、二人…三人・・沢山の子ども達に囲まれて欲しい。私が死んでも誰かが娘の背中を撫で…誰かが涙を拭き、誰かが娘の手を取り・・・

 

 娘の心を癒して欲しい。


 大丈夫だよ!

 ママには私達がいるから…と勇気づけても欲しい。


 切迫流産で…産まれた子ども達は、産まれなくては…生きなくてはならない・・運命なのだから。

 「生きるべき!」と選ばれて産まれたに違いないはずだから。

 

 ならば…


 娘よ!

 なっちゃんよ!

 ゆりちゃんよ!


 強く…賢く…優しく生きれ!!

もうすぐ…クリスマス…⁈

 ショウウィンドーに飾られたクリスマス。

 その中に、ずっと踊っているサンタクロースがいた。何やら大きな声で笑ってもいる。

 


 私は何故か…

 そのサンタクロースに釘付けになった。

 おかしくって…


 どうしてこんなに楽しく笑うんだろう…って。見ていると、私もサンタクロースに向かって微笑みかけていた。


 すると、またサンタクロースが大笑い…

 そして私も…笑顔を返した。

 

「笑ってごらんよ!一緒に笑おうよ!」って言っているみたいだった。


 そう言えば、私は今年の4月転勤したばかりの全職員会の挨拶で・・・


「私がいることで、利用者さんたちが楽しい気持ちになったり安心してくれたり…そんな支援をしていきたい!」

 

   ・・・・なんて言ったんだ。


 私がいることで…

 周りの誰かが…一人でも・・・

 笑顔になれたら…いいな…。


 笑っていたら…きっと!

      いいことあるよね!

逝く人・遺される人

 あっちゃんは本当にかっこよかった。

 優しくて面白くて…

 シャイで…

 私から抱きついていっても、両手はだら〜ん!

 「ギュッしてよ!」と言わないとギュッとしてくれない。


 二人で歩くときは手を繋ぐことが約束だったのに、自分から繋いでくることはない。


 この世の最後の最期ぐらい自分から手を差し伸べて…「愛してる」って言って欲しかったのに…


 それもなかった!


 最後の最期まで…。


「ねぇ?愛してる?愛しているなら愛してるって言って!!」なんて…ボーとしているあっちゃんに、病院のベッドに横になっているあっちゃんに何度となく言った。


 そう言えば、

 プロポーズ…って言うか…

 

 二人の結末(なりゆき)はどうなるのか問いただしたのも私の方からだったなぁ。

「私たちこれから先どうするの?」みたいな…。

 

 そしたら、

 彼は、

「このまま続いたら結婚しよう!」って初めて「結婚」と言う言葉を口にした。私から言い寄られから…。

でも今思う!(こんなに早く、一人になってしまうことが分かっていたなら結婚しなかったよ!)


 今…

 

 携帯の中に残っているあっちゃんの「愛してる」の言葉を聞くことはない。以前は毎日、何度も何度も聞いていたのに…。


 今は…聞かない。


「愛してる」

 優しくて暖かくて、自信に…勇気に繋がる言葉だ。


 愛し合っている二人…

 いや!大切な家族がいるのなら…

 自分の思いや気持ちは日頃から相手に分かるように口に出して伝えておくべきだと思う。


 それが、

 見えない力になるから…

 生きる支えになるから。