絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

ペンキで消してしまいたい

今日は、研修の為久しぶりに新幹線に乗った。


「◯◯◯◯経営者募集」ビルの屋上に置かれたコンビニ経営者を募集する大きな看板・・・を目にした。あっちゃんの命を削りとったコンビニの看板だった。


時計を見ると、7時28分。モーニングコーヒー片手に、見慣れた町並みではあったが、その移りゆく様をのんびり眺めていたのに・・・清々しい朝の気分は一転した。

14年前の経営者説明会の時、確かにこの耳で聞いた。当時、50代だろうか。白髪で銀縁眼鏡をかけた男性。おそらく肩書のある人だろう。


「気がつけば、2千万円の貯金ができていますから・・・。」と柔かに言った。

見抜けなかった。

その本当の意味が・・・

現実は・・


気づけば多額の借金ができていた。

そして・・・

命までとられた・・・


そのコンビニの看板があった。

忌々しく感じた。

目を閉じた。

朝から、堪え切れない怒りに震えた。


その一方で、あっちゃんが・・・

「コンビニ経営をする」と、強い意志を持って、誇らしげにそして、嬉しそうに私に言った・・健康的な素敵な笑顔を思い出した。

涙ながらに「人生半分」を歌う姿を思い出した。


まさか、

その笑顔がだんだんなくなっていくなんて思いもしなかった。

幸せになれると信じたのに・・

あの看板・・・

剥がせるものなら

剥がしたい・・・

何もかもがつまらない!

「チョコはガーナがいい。おかきは塩味。そして、もう一つ柿ピー。忘れんでね!」

あっちゃんが、コンビニの仕事が終わりそうな時間をねらって必ず、ほぼ毎日のように電話してた。


「あっちゃん、何時頃帰る?欲しいもんがあるんやけど・・」

すると、返ってくる言葉もいつも同じ・・

「メールしとけっ!」


いつも大体5つぐらい欲しい物、食べたい物をメールで送った。


いつも・・小腹が空いてきたら、


「ガーナとおかきと柿ピー」

と送った。

「ガーナとおかきと柿ピー・・」

でも、あっちゃんが、緊急入院した去年の12月29日から・・その3つ

「ガーナとおかきと柿ピー」が食べられない。商品として並んであっても、じっと見るだけで、手に取ることができない。


いつも、あっちゃんが買って来てくれたから。


夜中にコンビニから帰った時には、私が寝ていれば私の枕元に、まるでサンタクロースが置くように、静かに置いてくれていた。


だから、食べられない。


こんなことは、「ガーナとおかきと柿ピー」に限ったことではない。

二人でよく行ったレストランへは、行けない。

あっちゃんの好きな食べ物は食べれない。

二人でよく遊んでいた場所へは行けないし遊べない。


二人の事をよく知っている人とは会いたくない。


コンビニには、もちろん行けないし、行かない。

一年に三回は行っていたあっちゃんの大好きな街「大阪」にも行けない。

あっちゃんがいない人生・・・

つまらない・・・

2分の1の私

私は何一つ変わっていないのに・・


あっちゃんがいないというだけで何もかもが・・・全部変わってしまった様な気がしてた。

見える風景が変わった。

あれから春が来て、夏が来て秋が来た。だけど・・・これまでの春とは、夏とは、秋とは違った。


周りが変わった。

義父母が、同僚が、人が・・これまでの関わり方とは随分違うような気がする。


この10ヶ月で、

何もかもが変わってしまった・

・・と、 思っていた。

でも、本当は・・

本当は、

変わってしまったのは・・・

私だった。

心が半分死んでしまったから、

喜びも

嬉しさも

感動も・・・半分。


いつの間にか、

半分の人間に

なってしまっていた。