絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

日本一!自由人

「絶望」の果てに自由があると・・

聞いた。


どんな自由があるのだろう。

自由ってなんだろう。

今、私はすごく自由なんだけど・・


もしかしたら、「日本一!自由人」なのではではないかと思えるくらい。


好きな物食べて、好きな時に寝て、好きなだけテレビ見て、気が向いた時だけ料理して、逃げたくなったら逃げて、話したくない時には・・海に行って・・・

本当に 自由なんだけど・・・


でもきっと、これらは「本当の自由」とは言わないのだろう。


意味のある自由とは言えないだろう。

自分の欲望のまま行動する。自分勝 手なわがままな生き方なんだろう。


ただ、時間を好きなように使えるから、だれも文句を言う人がいないから・・・できている「自由」。


あっちゃんがいないから・・・

しょうが無いから・・・

つまらないから・・・

「自由」にしてる。


自分が「やりたいことができる」ことが、「自由」だと思っている。

私が本当に「やりたい」ことは、 好きな物食べて、好きな時に寝て、好きなだけテレビ見て、気が向いた時だけ料理して、逃げたくなったら逃げて、話したくない時には、海に行って・・

では・・・ない。


あっちゃんと二人で、

食べたい物食べて・・・

行きたい所に行って・・・

金曜日にはデートして・・・

好きなように、思うように・・・

働く時には働いて・・・

休める時には、力一杯休んで・・・

そんな日を過すことが、私の望んでいる「自由」


でも、

あっちゃんは、もういない。

一人でいると・・・

自由って・・・あるいみ・・

とても 「 不 自 由 」

ダイヤはダイヤ

「それからどうしたの?」

こんなにも人と話したかったんだ。

あっちゃんのことを・・・・。

私は、職場では、プライベートなことはあまり話さない。あっちゃんが死んでしまってからは、全くと言っていいほど話さなくなった。

口を開けば・・・

「本当のこと」を話せば・・・

涙で話にならなくなりそうだし、話したところで私の心情を理解できるはずもないだろうし。

ならば・・・当たり障りない日常的な会話と仕事の話だけを・・と。


「今日、主人がねぇ〜、」と、言ってこようもんなら、スーッと姿を消した。

なんとも薄っぺらな人間関係だ。

でも、付き合いが長い仲間や私の現状をよく知っている人は、

「少しは元気になった?」

「ちゃんと食べてる?」って、私のことを気遣って話しかけてくれる。

「元気になれるか!!」って、心・・で言って・・

「ありがとう。なかなかねぇ。」と、返す。

話したところで・・

と、思うから。

木曜日弁護士に会う日だった。


ひと通りの報告を受けた後、おもむろに、


「どんな人だったのですか?ご主人は?」から始まった。

「大学時代に知りあったの?」


「はい。就職後3、4年の 遠距離恋愛を経て結婚しました。」

いつのまにか、携帯の中にある写真まで取り出して、出会いからコンビニを始める経緯、そしてお酒のこと、私を今一番悩ましている罪悪感まで・・


話したくて仕方なかったんだ。


トントン・・

ドアをノックする音


「 相談者の方が来られています。」と、事務員さんが入り口で言った。

でも、止まらなかった。

まだ話したかった。

一人暮らしのこと

義父母との確執

家のこと


そして、あっちゃんのこと・・

優しい眼差しで、私の目を見てうなずき・・・

「分かるような気がする」

と、優しく言ってくれた。


そう!!

誰にも分かるはずなどない。

絶対に。

でも想像することはできる。

だから、

「分かるような気がする」・・は、

適切な本当の思いだろう。


「ダイヤはダイヤでしか磨けない。」

「 人もまた、人の中でしか磨かれない。」


もしかしたら、いつか、いつか私も

人によって「変われる」かもしれない・・・と思った。この「絶望の淵」から、光の差す方へ進めることができるかもしれない・・・と。

とても穏やかな気持ちなって法律事務所を後にした。

絶望の淵に立てた!

使い掛けの洗顔クリーム

使い掛けのシャンプー・・・

使い掛けの化粧水と乳液

使い掛けの香水

使い掛けのムース・・が


いつもの場所に、動かした痕跡もなく 置かれている。


賞味期限切れのゼリー

賞味期限切れの焼肉のタレ

賞味期限切れのすき焼き風牛丼が、

随分前から冷蔵庫に・・・

とうとう誰も食べないものだから、そのまま・・・

そして、捨てられずに残っている。


まだ、賞味期限がある

レトルトカレー

ゼリー

ビール

日本酒

南国白くま(アイス)が・・・


あっちゃんを待っている。

あっちゃんが買って来た物

あっちゃんが好きな物・・・

最後まで使わずに・・

飲まずに、食べずに・・・

あっちゃんの忘れ物。

先週木曜日、弁護士から電話があった。

「奥様と娘さんの相続放棄の全ての書類は受理されました。今後は、お義父様お義母様の手続きを行ないますので、来週木曜日にお会いしましょう。」


あっちゃんの忘れ物

・・・・・大きな忘れ物

あっちゃんは、大きな大きな借金も残して逝った。

「 死んでしまった」ということだけでも・・・・・

死ぬほど哀しくて、苦しい思いをしているのに。

・・その上、借金だなんて・・。


私は重い荷物を背負わされて奈落の底に突き落とされた気分だった。

まさに「絶望」・・・。

「裏切り」でしかない!と思った。 悔しくて・・悲しくて・・・

腹が立って泣いた

声に出して叫んで泣いた。

泣いて、叫んで・・疲れ果てた時、

私は、

あっちゃんの大きな優しさを思い出した。

家族を想う大きな愛を思い出した。


現実を受け入れるには、少し時間がかかった。

闘いが始まった。


「苦渋の決断」


マイナスの遺産を放棄するということは、プラスの遺産も放棄しなければならない。家も・・車も・・貯金も、あっちゃん名義の物は全て。

奈落の底に落ちた私は、這い上がり、その淵にたどり着き、立ち上がることが必要だった。

「絶望の淵へ」

「絶望の淵でも・・・」

そのために決断した。

「相続放棄」


それが弁護士のお蔭で少しずつ順調に進んでいるようだ。

娘が、言ったあの言葉・・・

「生きることは、諦めることよ。」


そうかもしれない。


夫の死


相続放棄


コンビニ問題・・・

大きな忘れ物・・・

あっちゃんの忘れ物だから・・

大小問わず

片付けるのは、

私しか・・・いない。