貴女の夢は何ですか?
・・・って聞かれた。
「女優になること!」と即座に答えた。
私の定番の回答だった。今でも…そう答える。私がこの街に来て直ぐに始めた事は、家賃分だけでも稼ごうと勤務先を見つけることだった。職場にも少し慣れ、余裕ができた頃次の行動に出た。
習い事を始める。
どうせ習い事をするなら、以前から興味があったミュージカル。歌や芝居がしてみたいと思い地域の劇団を見学し、次の週の日曜日には、入団の手続きを済ませた。
これで、主人との死別後も、仕事・趣味・家族(近くに娘夫婦)と、私の人生はそれなりに潤うはずだった。
しかし、昨年の春…立て続けに哀しい出来事が起きる。1ヶ月の間に…。
最後は、娘婿の母親の死だった。
ショックだった。
自宅に一人でいた為、発見された時には、洗面所で倒れていたらしい。脳梗塞。58歳だった。
私は、何故か自分の人生を恨んだ。
2人(娘と娘婿)のかけがえのない家族の大切な大切な親を…
娘は父親を、
娘婿は母親を早くに亡くしたことを、私に起こっている負のスパイラルのように感じた。
そんな時、
笑顔で歌ったり踊ったり…そんな気持ちが薄れていった。やる気がなくなった。
いやいや!それは言い訳かもしれない。毎週日曜日の6、7時間のレッスン。足腰が痛くなるダンスに…ついていけない!
いつもの怠け癖が出たのだろう。
いずれにせよ…
お母様の葬儀が終わって、その週の日曜日に「しばらく…休みます・・」と団長に申し出た。
それから1ヶ月…2ヶ月・・・伸ばし伸ばしに…休んだ。
職場もそうだ。
ここへ来てせっかく見つけた仕事場。仕事内容にも慣れ、気の合う職員とも出会えた。しかし今年4月から職場が変わり、また0からのスタート。
慣れない上に不満続出。
何でも話せる仲間もできていないうちに5月中旬から長期休暇(7月から復帰予定)と…今に至る。
仕事に趣味…
潤うはずだった。
生きているだけではつまらないもの。
感じなくては…。
喜びと感動を。
毎日ではなくても…いいから。
心が動く…日がある生活をしなくては…とまた今…焦っている。
この熱い夏…また新たな試練が始まろうとしている。