絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

寂しい花火

夏本番・・・8月になった!

私は、出発してから150Kmの地点で留まったまま。

先へ進むべきか、戻るべきか思案中。(私の心と同じ)

どっちに行ってもあっちゃんはいない。 永遠に一人旅には違いない。

もう一日・・・ここにいよう。と、決めた。

午後7時を過ぎた頃・・・

どうやら、川向こうで花火大会が行われているようだった。

ドンドン・・・・

ドンドン・・・・

空を打つ太鼓の音が聞こえる。


窓を開け、音のする方に目をやった。

沢山のヘッドライトが見えた。それは、永遠と続きそうなほどの小さな明かりの列だった。


花火が上がった。

列をなした車が姿を現した。

「やっぱり花火大会・・・かぁ」

私は外の賑やかさを消し去るために静かに窓を閉めた。

遠くで聞こえる夏の音が・・・今年はとても悲しく響いたからだ。

「花火なんて見たくない。」と思った。

だめだ。

やっぱり、 前に進めない。

ニュースで知った。

「平均寿命」

男性は、80.50歳だと言っていた。


ショックだった。

また、後悔。

まだまだ・・・まだまだ、

30年は生きられたんだ。


あっちゃんは、まるで花火だと思った。


花火のように、一瞬にして美しいまま消えてしまわなくてもよかったのに。


花火のように、みんなに愛されたあっちゃんだったから・・・


もっともっと生きて欲しかった。

できれば、平均寿命までは・・。


私は、自分勝手で・・・

私こそが、 裏切り者で・・・

だから、 きっと、

花火に照らされた私の顔は、

鬼の形相・・・だね!

鬼嫁奮闘記②

走行距離メーターの表示を「0」にして、さあ!出発!!

右に行くか・・左に行くか・・・足の向くまま、気の向くまま・・・


夏休みに入って10日。

仕事は8月31日まで、お休み。

子ども達と同じように、今は長い夏休み。


だから・・・・鬼嫁は、今日も行かせてもらいます。

朝6時半に出発した。

先ずは高速道路に入る。朝早いせいかトラックが多い。


ほぼ時速90キロをキープして走る。


ただし、コンビニの配送トラックと遭遇した時は、アクセルを踏む足に力が入る。

「越さねばならぬ。」

なぜか使命感。

必ず・・・・追い越す。

絶対に負けられない!


「あっかん!べーぇ。」


高速を下りると、

一度も通ったことのない道を通ろう。


南をめざして・・・

綺麗な海が見える。

何故か・・目頭が熱くなる。

走行距離、約150Km・・

長い長い海岸線。


助手席の前に写真を飾っている。

あっちゃんと私のツーショット!


泣きながら・・・・

おっと!危ない!

前が見えない・・


独り言・・・・

カーナビの声が

あっちゃんの声ならいいのに・・

聞こえない・・こえ

あたりまえだけど・・・

真っ暗な家に帰って来た。

玄関横のポストに1通の封筒が入っていた。それを握りしめ、鍵を開ける。


ムッとした空気、息苦しささえ感じる。

人の気配は? もちろん感じない。

誰もいないと分かっていても、言ってみる。


「ただいま」・・・


「おかえり」・・・って声が聞こえたらどんなに嬉しいだろう。


今まで何気なく使ってきた言葉だけれど、とても温かい言葉だったんだ・・・と、今更ながら思う。

娘が家を離れてからは、使う頻度も少なくなっていた。


「おかえり」・・・って。

あっちゃんは、コンビニを始めてから、だんだん言わなくなっていったような気がする。


「ただいま」・・・って。


夜中に帰って来たり、まだ日も昇らな い明け方に帰ったり、娘は学校、私は仕事・・・誰もいない家に帰って来たりで、その言葉も徐々に使わなくなってきたのだろう。


もしかしたら・・・、

もしかしたら、

真っ暗な家に入って、小さな声で、

「ただいま」って言っていたのかもしれない。


今の私の様に・・・

「おかえり」と答えてくれる言葉を期待せずに、

「ただいま」って。

どんな声で言っていたのかなあー?


「ただいま」・・・って。

もう少し・・・

聞きたかったなぁ〜

「ただいま」の声。


もう少し言いたかったなぁ〜

「おかえり」・・・って。


私には、もう

「ただいま」もなければ「おかえり」もないのかなあー。


そんな事を思いながら、握りしめた封筒を見た。

裁判所からの郵便だった。

始まった・・・んだ。