絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

太陽の消えた小さな世界

アパートの小さな玄関ドアを、小さな声で「行って来ます」と、閉める時…、


振り向くと…私の住む異様なまでに小さな世界が見える。

外の世界を遮断したかのような遮光カーテンは、明るく照らしている陽の光を閉ざし、風も…音も陽の暖かさも…全て奪い去ってしまったように、この部屋の…一角だけを薄暗く寂しくしている。


そんな…寒々とした部屋に向かって毎日小さな声で「あっちゃん!行って来ます」と鍵をかける。


駐車場に停めてある車までの距離50m。

その50mの間に、両手を広げ思い切り太陽を浴びる。水を得た魚のように、太陽に向かって息を吸い込む。やっと、陽の当たる場所に出たようだ。


目を細めながら見る太陽は、46億年前に誕生したというもの、少しずつではあるが形を変えながらも、地球上のあらゆるものに平等に、そして変わらぬ光を与え照らしてくれる。


その太陽のような存在が、…夫であった。そして…夫にとっては私であったはず・・

その…「生」の根源である太陽がなくなった。

私を照らしてくれるもの…

私を導いてくれるものがなくなった。

私に眩しい太陽は似合わない。陽の閉ざされた小さな薄暗い居場所の方が居心地良く感じることもある。

だけど…生きると決めた。


だから、

今日も…明日も、明後日も…


この50mに、哀しみと寂しさを置いて車に乗り込もう!

いざ! 出陣!

大好きだけど…大嫌い…。

今日あっちゃんが大好きな街…


大阪へ行きます。


可愛い私に1番よく似た姪が暮らしています。姉が遊びに行っているので、私と娘となっちゃんで…。


もちろん あっちゃんも一緒に!


あっちゃんが元気な頃は、1年に3回は行っていましたから…。

いなくなって、2度目の大阪です。


きっと…街のあちこちで…あっちゃんを探すと思います。

本当は、行きたくないのですが、私を元気づけようとしている娘の魂胆を知りつつ…。


のってやります。


泣きながら行って来ます。

私は…元気なまま夫のところへ逝く。

私は、何を望んでいるのだろう・・

愛する人とは、もう絶対に・・私がここにいる間は、私がこうして元気?でいる間は会うことはできない…と、わかっているのに・・


こうして…生きている。


死にたい…と何度も思った。

でも、死のうとはしなかった。

それは、単に死ぬ勇気がなかったことと、遺された方の「死ぬ以上に哀しい思い」を私が一番よく知っているのに、娘にその哀しみを続け様に味わわせることができなかったからだ。


私の目標は、母がこの世を去った65歳までなんとか生きること。その頃になると、娘も3人ぐらいの子ども達に囲まれて…子ども達も大きくなり、優しい旦那さんと賑やかに過ごしているだろう。私の、母親としての…(夫の分を足したとしても)役目は終わってもいいだろう。


そして…

私が息をひきとる時、哀しまないでほしい。


やっと…やっと、お父さんに会えるね!って…安心してほしい。

お母さんは、きっと…きっと・・嬉しいはずだから…。


私が望んでいることは、元気なまま、突然…夫のところに逝くこと…。


だからそれまで、

力いっぱい生きる。