何もなくなればいい…
遅出の仕事は、21時まで。
21時解放されてユニットの硬い扉を開けると、雨が降っていました。この頃朝夕は、秋の気配を感じることも多くなりました。
仕事が終わった疲労感と解放感。ユニットの入り口の傘立てには、透明の傘が2本ありましたが、何故がその時…
このまま歩こう!
…って思いました。
歩いても500mもありませんから。
リュック背負って、すぐマスク外してゆっくり歩きました。
街灯から星屑のように雨が輝いて落ちてきます。
右側を流れている川に雨が当たり気持ちが吸い寄せられます。
真っ暗な空を仰ぐと、
雨か涙か・・
はたまた汗か…
頬を流れます。
人っこ一人いません。
この世に「一人」なのではないかと錯覚してしまいます。
それなら…それでもいいや!って…どうでもいいような捨て台詞吐いて車に乗り込みました。
雨はしばらく、
私の体に冷たさを残しながら、いつか乾く「心の強み」を染み込ませてくれたようでした。