逆上
大きなお腹をしてベットに横たわる娘の顔を何度も覗き見る。
自分の姿と重なる。
出産予定日一週間前に、私の両親は田舎から駆けつけてくれていた。(約一ヶ月お世話になりました。)
あっちゃんも、当日は仕事を休んでくれた。ビデオとカメラを両手に持って娘の誕生を記録した。
分娩室の前には、元気なあっちゃん、父、母そして義父、義母がいてくれた。
私は本当に心強かった。
私の大切な人が傍にいてくれた。
だけど…今・・・
私の大切な人…あっちゃんと父と母はいない。
時の流れには違いないが、この現実に・・・何故か腹が立ってきた。
相続放棄のことで義母から電話。
私は出産予定日を10日過ぎても陣痛がこない娘の体と赤ちゃんのことが心配で心配で仕方ないのに…。
書類の書き方のことで・・今日も昨日も…同じことを何度も…聞いてくる。
大体!あっちゃんが死んでしまうから…私の人生…大狂い!
例え借金があっても、二人で頑張れば何とかなったはず。弁護士を雇うことも、相続放棄することも、書類を提出することも…何もかも無くなってしまうこともない訳だ。
しかもこれからの人生のこと考えると…年金が貰えるのは、多分…
15年・・・くらい先?
それまで、私は一人で頑張らなければならないじゃない!15年は長すぎるよ。
そして、コンビニの問題はまだ解決していない。
今の今でさえ…一人で…娘の心配をしている。楽しんでやっているから許せるけれど…
あっちゃんがいたら、娘もきっと心強かっただろうと思う。
いや、私が傍にいて欲しかった。私と娘の傍にいてくれたら、きっと心が和んだ。
一緒に笑って…一緒に悩みたかった。この緊張感も一緒に味わうべきでしょ。
遺された者は・・・哀しい思いをした上に、さらに悩み考え、頑張り続けなければならない。心と反対な事もやってのけなけなければならない。
ならば・・あっちゃん!
今…
娘に力を与えて…
喜びを与えて…
そうしたら・・
機嫌直すから…。
