愛しみの…涙
仕事が終わって帰宅する車の中で急に涙が出てきた。
泣きたいならば泣いてやろう…と思い、心を自由にさせていたら、
私は・・・また…
「あっちゃん…後悔してない?死んでしまったことを…後悔してない?」って叫びながら泣いていた。
「まだまだ生きたかったやろー」って、問いかけてもいた。
まただ…。
人は、多かれ少なかれこの世に未練を遺して逝ってしまうものだろう。「全く悔いはない」なんてあり得ないことだと思う。ましてや…まだまだ若くして…自分の両親を遺し・・娘の挙式後わずか2ヶ月で…。と・・
ついつい…どんなに無念であっただろうかと想像し胸が苦しくなって涙になる。
ひとしきり叫んで…家に着き車を止めた。
その時ふと・・・思った。
「悔いが残る…?」
私にはまだやり遂げなければならないことがあるのだろうか。
見当たらない。
しいて言うなら、これから生まれ…育っていく孫や娘夫婦を見守ることぐらいだ。
「悔い」なんてない…
ならば…あっちゃんも同じなのではないだろうか。
先立つ時に「後悔」することがあったとしたら…
あんなことしたかった…とか、 こうしとけばよかった…とかじゃなくて・・・
家族と大好きな人と逢えなくなることを…
それだけを「後悔」するのではないだろうか…
あっちゃんの後悔も…私と娘と逢えなくなってしまったこと・・・この一つに尽きるのではないだろうか。
病気の事も…
自分が起こした仕事の事も…
お酒が止めらなかったことも…
後悔しては…いないだろう。
ただ愛しい人に逢えない事を悔やんでいるに違いない。
ならば・・・
今日から涙を流す時には、
「必ず逢いに逝くから待っててね」と叫ぼう。
私の罪を嘆いても、悔やんでも…
あっちゃんの病気の事を哀れんでも仕方がないのかもしれない。
いつもいつも…あーすりゃよかった・・・こうすりゃよかったって…
自分を責めて
打ちのめして…
でももう…やめようか…
自分を苦しめる事…責める事…
やめようかな…
いつの日か流れる涙が
哀しみの悔し涙でなくて…
愛しみの涙に変わることを…
祈ろう。
