歩いて行ける場所…
哀しみを忘れて…
忘れたふりをして…
何もなかったかの様に生活することができる。
仕事をして、寂しさに堪えて…たまには楽しいこともして…元気に見えるように過ごすこともできる。
私は昔から二重も三重も、あっちゃんに言わせれば、四重人格(多重人格者)だから…
そのように偽った自分でこれまでも…そして死別後も生きてきた。今からだってそうだろう。
最愛の人(伴侶)を亡くしても、こんなに強く生きている。惨めでも…可哀想でもない。1人でもやっていける…と…虚勢を張って・・
まさに、虚勢の姿で…。
本当の姿は…恥ずかしいほど惨めなものだ。あっちゃんを亡くしてうまれた…今までに感じたことのない「負の感情」が心の中に埋め尽くし、息が止まってしまいそうなほど苦しい時があり、外に出られず…引きこもり、時に泣き叫び…。私の心のすべてで感じる喪失感…で…
これが本当の姿。
でも、今日も偽りの姿・・・で、アパートも仕事も決めてきた。まだ、家の片付けも整理も何もできていないが、このままこの家に居ても、私は魂を取られた抜け殻の様で…
私の心はこの家のように、整理もできずに、ただふわふわ「ここに」漂っているだけのように思えて…
だから行動してみることにした。
まず、職探し。
次に、娘家族の近くにあるアパート探し。
見つけた。
二つとも。
きっと、これからも私は虚勢を張って生きていくと思う。そうしないと、生きてゆけないのかもしれないから。
でも今度は、疲れた時には、徒歩10分の所に娘家族がいる。寂しくなったら、歩いていける場所が…やっとできた。
あっちゃんと結婚して初めてのことだ。
歩いて…話しにいける場所がある。
