哀しい出発
始まる…
新生活が…
車に布団と台所にあった調味料と普段使っている日用品と服と扇風機だけ乗せた。
借りたアパートは、家具・家電付き。
家からアパートまでは、高速に乗って約2時間。(隣の県)娘家族のアパートから10分の所。
もう…しばらくこの家に帰ってくることはないのだろう。
新しい生活が始まろうとしているという…晴れやかな気持ちは全くなかった。
どんよりしていた。何方かと言えば…哀しかった。この家を出て行かなければならない私の…
私の人生を嘆いた・・・。
あっちゃんさえ…生きていてくれたら…。
あっちゃんがいてくれたら…
何処へもいかない・・・。
新しく始まることへの期待も希望も…全くない。
ただ…何日も人と会わず…
何日も人と話さず…
そんな寂しい日々を、もう過ごさなくてもいいこと・・・それだけが、少しだけ「嬉しい」のではなくて、「良かった」と思った。
