虚しい空 〜何も聞こえない〜
四角い白い小さな部屋から…少しだけカーテンを開けて、窮屈そうにしている空を眺める。
誰もいないのか。このアパート?
人の声はもちろん…物音一つしない。
まるで、私だけ…置いてきぼりにされたような・・
いつも見上げている空が寂しく感じられた。
そう言えば・・ずっと…
あの日からずっと…感じていた。
喪失感…。
何をしていても…
そばに誰かいても …
賑やかな職場の中でも…
いつも、どんな時も…
喪失感…。
きっと…私が生きている間ずっと感じ続けるのだろう。それが、私に与えられた罰だから…。
だけど…家から持って来たあっちゃんの遺影はいつ見ても・・こんな私に、いつもと変わらず微笑みを返してくれる。
愛する人を遺して亡くなった人は誰も、妬み・恨み言を言わないのだろうか…。
先日、アメリカで話題となっている『奇跡の霊能者 ローラ・リン・ジャクソン』の出演している番組を見た。霊視して見えた魂(霊・亡くなった人)は皆、当事者を思い、気遣っていたように思う。
あっちゃんにも届いているのだろうか。私の謝罪と愛おしい思いが…ならば、あっちゃんの声でなくていいから、私も聴いてみたい・・・
あっちゃんの今の気持ちを・・
そうしたら、少しは喪失感が軽くなりそうな気がする。
でも…恨み言言われたら…
怖い気もする。
