怪獣…さとみゴン
娘が言った。
「お母さんも、すっかりこの地の人になったって感じだね。」って…
「お母さんはね。今はどこで生活しても同じなのよ。ここにいても心はここにない。沖縄にいて美しい景色を見ても…心はそれほど感動しなかった。
仕事をしていても、どんなに歯の浮くような嬉しい言葉をかけてもらっても・・・「ありがとう」って言葉は返すけれど、「嬉しいな」って笑顔も返すけれど…
感じないのよね…。
喜びを…。
その地に馴染んでいるように見えるのは、適当に過ごしているからじゃないのかなぁ。
一生懸命じゃないんだと思う。
問題が起こらないように…
今日という一日を、静かに過ごしているだけ。
熱くなることもなく…
今日という一日を、無理をせず穏やかに過ごしているだけ。
燃えるように活躍することもなく…
今日という一日を、ただ時間だけ過ぎればいいと・・・がむしゃらにならず過ごしているだけ。
今、文句が言いたいこともないし、しんどいこともないから…ただやるべき事だけを、可もなく不可もなくやり過ごしているだけだから…。
『あっ!
あった。1つだけ。
職場の主任さんの話し方が気に食わない。目は見ないし、単調でメリハリのない喋り方。冷たさしか感じない。
「○○して下さい」しか言わない。
たまには、褒めろよ!って思う。』
そうそう…
本当の私は、
以前の私は、
何かにつけ文句言ったり、反論したり…してたなぁ。
今では、そんな元気もなくなって、静かに流れる様に流れているから 『この町の人の様に』見えるのね。」
いつかまた、『怪獣さとみゴン』に変貌する時があるのだろうか?もう…一生このままなのだろうか…。
暫くは、怪獣は出てきそうにない。