野村沙知代さんが教えてくれた。
すごく怖くなる時がある。
「死」んでしまうことが怖い訳ではない。
こんな生き方を何年続ければいいのだろぅ…と、ふと思う瞬間が…何故か恐ろしい。
一人は楽だと言い切った…。
だけど…一人は虚しい。
あっちゃんと暮らしたあの家に帰られないのならば、私は、この四角い小さな部屋の中で、いつまで暮らせばいいのだろう。
少し高めの天井を眺めながら…そう思う。
一人で生きられるかもしれないと…言った。そう思っている。強がりだろうが…そう・・思いたい。
だけどそれは、今はこうして働けるからだろうし、体もまだまだ動かせる。職場には、気の合う仲間もできたし、趣味の幅を広げていこうかと少しずつ行動もしている。
だけど…怖くなる時がある。
それは、野村沙知代さんが教えてくれた。
きっと、
体がしんどくなって…
誰かに頼りたくなった時…
ベッドの上で小さな声で、
「左手を出して…」っと言ったら、
握り返してくれる・・
大きく優しい手がないから…だ。
安心できる…
手がないからだ。
(野村沙知代さんのご冥福を
お祈りいたします。)
