出会いと別れ
「その人がいるだけで楽しくなる」って・・そんな人…いませんか?
この街に来て、新しい仕事に就いて、この職場で出会うことができた。
朝、シフトを確認して、その人と勤務が重なっていると分かると、重い腰もすんなり上がり出勤の支度ができる。
同じ女子寮に配属されている、私より5つ年下の職員さん。
私より小さくて、髪は、ベリーベリーショート。
学生時代の武勇伝が面白くて、いつも、手振り身振りで話す。いつのまにか、その話の中に引き込まれ、大声で笑っている私がいる。
気にくわない主任の話で盛り上がり、時間の経つのも忘れる。
一見、ぶっきら棒で、お調子者のように見えるが、実は、勉強熱心で、丁寧な指導をする。利用者に対しても一貫した支援法を持ち、はたから見ていても気持ちがいい。なんと言っても頼りになる職場の先輩であり、仲間だった。
その人が、3月で退職すると言う。
会えることが、楽しみだったのに。
もっと!話がしたかったのに。
まだまだ一緒に働きたかったのに。
寂しくて仕方がない。
人と人との出会いには、意味があって、出会うべくして出会うのだ…と聞いた。私がこの土地に来て、初めて出来た「話せる人」だった。
ぽっかり穴の空いた私の心に、暖かい空気を吹き入れてくれた。明るい「笑い」という光を差し込んでくれた。本当に 彼女に救われた。
出会えたことが嬉しかった。
彼女は、私に以前の私を思い出させてくれた。仲間の温かさを感じさせてくれた。
どうして…「人」には、別れがあるのだろう。
また、会えるだろうか…。
「生きて」いるのだから…
また…
きっと・・会える…
そう信じるしかない。
