偽りの私・言えない言葉
貴方がいないこと…
貴方に会えないこと…を、私はこの街では隠して生きている。
私が主人と死別していることを…。
私はこの街に来て、3人の人に「死別」の事実を話している。この仕事に就く為の面接の時に面接官(3人)に問われたので仕方なく話した。
また職員として登録する為に、家族構成(扶養)等の資料を提出したので事務局の人は知っているかもしれないが、自分から話したのは、その面接の時だけだ。
何故か…主人はいない。
主人は、亡くなった…ってことが、
…言えない。
世の中には、結婚をしていない人
離婚をした人、シングルマザー…人それぞれの生き方があって、一人で子どもを育て、しっかり前を向いてあるいている。
堂々と自分を語りながら…。
それが自分の選んだ、自分の為(子ども)の人生だと・・・
胸を張って…進んでいる。
でも…私は違う。
死別だからなのだろうか。
主人がいないという事実を言えない。言いたくない…。
黙っているから余計に苦しいのかもしれないが。
主人がいなくなったことで、今まであったわずかながらでもあった…自信がなくなった気分だ。
だから…どんなに一人で頑張っていても胸が張れない。
あっちゃんがいたから生きてこれた。胸を張って…生きていた。
