最期のプレゼント
今日は…もう必要のない・・
私の誕生日…です。
去年の今日は…沖縄にいました。
今年は…何と宿直で寮で泊まりです。
来年は…何処にいるのでしょう…。
あっちゃんは、新婚時代の3年間は、毎年バックをプレゼントしてくれました。
(少しのろけさせていただきます)
1年目は、グッチ。
2年目は、セリーヌ。
3年目は、バレンチノでした。
私は、ブランドには全く興味がなく… 恥ずかしながらその名前も知りませんでした。
街中を走る車から見えるブランド商品の看板・・を見て…
「ディオールのDior」を、
「ディアー」と読み、あっちゃんがいつも笑っていました。
それでも良い品物は長持ちすると言いプレゼントしてくれました。
結婚して数年経つと…
いつのまにか・・
「今日、私の誕生日なんだけど・・」と言うと、そうだったね!と返すだけになったけれど、
結婚5年目にはルビーの指輪を…
結婚10年目には、スィートテンダイアモンドを…
それから、気が向いた時の誕生日には、ネックレスを… いただきました。
そうそう!私が大好きなガーナのチョコと黒糖饅頭だった年もありました。もしかしたら…今までの中で私が一番反応よく喜んだかもしれません。
本当にダンディで優しい夫でした。
それなのに私は…
いくら考えても彼の誕生日に、彼にプレゼントした記憶がありません。
全く…ないのです。本当に。
財布が別々の夫婦でしたから、お小遣いをあげた事があったかもしれませんが…。
そして、あっちゃんがいなくなって4回目の誕生日!
彼は最期に私に「自由」をプレゼントしてくれました。
今…思う事があるのです。
あっちゃんは、病に倒れましたが、長い闘病生活を送ることがありませんでした。きっと私を頼りながらも、私に看病を長く続けさせることを自ら拒んだ様な気がするのです。
今、こうして・・
娘の近くで微力ながらも孫の世話ができる環境をあっちゃんが最期に私に与えてくれたプレゼントではないかと思うのです。
俺はいい!
お前は娘のところへ行け!
俺のことより娘のための力になれ!
俺のことはいいから…って声が聞こえてきそうな気がするのです。
今のこの生き方は、あっちゃんからのプレゼントだと思って生きていこうと思います。
