気づく… 〜最終の目的〜 【後編】
台所に私はいた。
一瞬!お尻に何かが刺さった。
お尻にそれはそれは強い痛みを感じた。
血は出ていない。
しかし刺すような痛み。
振り返るが誰もがいない。
いや!いた。
あっちゃん!
ビービー弾を構えたあっちゃん。
ビービー弾を握り取り、投げつけた。
思い切り・・・床に…。
ビービー弾は床で飛び跳ね、破片が飛び散った。
ビービー弾が壊れた。
あっちゃんは腹を立てた!
その時初めて、言い合いになった。
どちらが悪いかは、言わずもがなだ。
相当…壊れたおもちゃのピストル…?が大事だったようで。やっと見つけて買ったのに…と、しばらく嘆いていた。
さて…話を本題に戻して・・
そのうち、子どもの話が・・・徐々に触れられたくない・・・
しかし相手は知りたいと思う核心の部分に差し掛かかる。
彼女が一人息子である事、ご主人とは上手くいっていないことを…それでも60まではなんとか離れず頑張ってみると思っている事を話し始めた。
私もいつしか、その話の流れにのまれ…
主人とは死別していること、
初めて知った借金のこと、
義父母をおいてここに来ていることを話した。
話してしまった!
私は以前…
何でも話せる人を求めていると言った。
聞いてくれる友と出会いたいと…。
私の事を全く知らない人と出会いたいと…言った。
しかし、少し違っていたことに気づいた。
人に、主人の事を話したところで全くスッキリすることはなかった。むしろ!あそこまで正直に話さなければ良かった…と少々後悔すらしている。
私は、自分の事を、「話せるようになる」事が、最終の目的であると思っていた。
それができるようになった時こそが、「最愛の人の死を受け入れた時」であると…思っていた。
でも…本当は。違っていた。
人の様々な話を、自然に…
「聴けるようになる」事こそが、私が望んでいる最終目標だとわかった。
