適応力
狭い部屋でも…
誰もいないこの部屋でも…
疲れて帰って来るとホッとため息がでる…。
ちょっとした「好きな時間」がここにはある。
私はいつの間にか、あっちゃんと暮らしていたあの家同様に…自分が落ち着ける場所を見つけていた。
つくっていた…。
あの寂しさから逃れようと。
哀しみを覆い被せるものを見つけようと。
苦しみの中にいても…何かを生み出そうと…。
そして、ほんの少しだけ
楽になった時…
鏡に写ったものを見ると、
飾らない自分の姿だった。
玄関を開けると、自然のままの姿で外に駆け出してゆける。肩肘はらずに歩いてゆける。
ここにはあっちゃんはいないけれど…
ここは暖かい人の温もりが感じられる空間ではないけれど…
静か過ぎて、たまに泣きたくなるけれど…。
ちょっとした素敵な空間がここにはある。
私って、かなり… 適応力があるんだよなぁ…って思う。
今は、この寂しい時間も、私の好きな時間になっているのかもしれない。
