2014.12.31
いつも…いつも
救急車のサイレンに体が反応した。
職場にかかる電話の音に、ビックっとなった。
勤務時間が終わり、携帯の着信音が鳴ると、声を聞くまで心臓がドキドキ痛かった。
いびき…でも・・・
眠っている…
息をしながら眠っている姿を見なければ…何故かすごく怖かった。
いつ頃からだろうか…。
主人が亡くなる数年前から、私は何故か主人がいなくなりそうな・・そんな予感がして…毎日が不安で仕方なかった。
そして、その死の宣告は、私の前で起きる訳である。
最悪な年だった!
しかし、その年は・・・
本当は最高の年だった。新しい家族ができ、もしかすると最も幸せな年になるはずだったのだ!
娘の結婚!初の里帰り…!
娘の結婚式を終え、1ヶ月後…
嫁いだ娘の初めての年末年始は、我が家に二人を招待した。
娘、お婿さん!そして、あっちゃんと私…四人で過ごす事になっていた。
娘婿のお布団も買い、年越し蕎麦は、美味しい蕎麦屋さんに頼んだ。
それが…まさか…
24時間の余命宣告。
12月31日…死ぬのだ!
まさか!あっちゃんが!
病院へ来た娘夫婦は、ひとまず家に帰らせた。
私は…死んでゆく夫と…二人…
雪のちらつく窓を見つめながら…
テレビは、ガキ使の笑ってはいけないが不似合いな部屋で…音を出していた。
なんとも不思議な時間だった。
死にゆく人を、
それが最愛の人で、
こんなにも元気な人なのに、
今日が最期の日で・・なんて…。
怖くて…
不気味な感じの大晦日…だった。
