絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

壊れていく体

不安は的中した。

うとうと・・・・・・・うとうと眠り出すあっちゃん。


「眠いの?」

「おぅ」

うとうと

・・・・うとうと・・・してる。


テレビを消すと、


「テレビつけて!」と、


すると、しばらくして、

また、うとうと・・・



何故か眠いらしい。



この時は、知らなかったんだけど、何でも、食事が、タンパク質がいけなかったらしい。



えっ⁉️病院が出した食事よ❗️




あっちゃんは、


翌朝になっても、目を開けることは、なかった。


次の日も、また・・・・次の日も。



何も話さなくなったあっちゃん。

手も動かさない。

目も開けない。


ただ・・・・寝てる。


そして・・・


体も、あっちゃんの体じゃなくなってきていた。


パンパン張り裂けそう。

パンパン(24時間の点滴で?)

針を刺したら、ピーと水が飛び出してきそうなほど浮腫んでいた。


かわいそうなほど・・・。


「痛くないのかなあー?」



お腹、足、足の甲も、手も指も。


そして、体の色は・・・黄色。


元気な人の体ではないことは観て取れた。


元気な体になることは、もうないだろうとも・・・・感じた。




あっちゃんは、それから、6日間眠り続けた。

偽りの時間

心は、折れかかっていた。


あっちゃんが、私の目の前で話をしていても・・・。

テレビを見ていても・・・。


彼の姿が、まるで霧の中にでもあるかのように感じていた。


本当に言いたいことを

本当に聞きたいことを

本当に知りたいことを

口に出せずにいたからだろう。


偽りの平穏を装うしかなかった。


少しでも涙を流してしまうと、止められなくなってしまうから。

一言でも泣き言を言うと、責め立ててしまいそうだから。


そうするしかなかった。

苦しかった。


もがいた。もがいた・・・。

黙って、一人で、静かにもがいた・・・。


不安90% 希望10%


そんな 息がつまりそうな日々を過ごしていた 1月8日



また、嬉しいニュースが・・・


「今日から、食事を出しましょう。」


スプーンで粥を口の中へ


嬉しそう‼️



ブロッコリーを一口



大きく口を開けて・・・・。


美味しそうに・・・。


「あっちゃん。美味しい⁉️」

「おぅ」


生きている喜びを感じていたんだろう。


でも、でも・・・。


1月9日


「なんか、朝ごはん食べ過ぎたみたい。」と、言って、あんなに喜んでいた食事を・・・・・9日の昼食を、半分も食べなかった。


夕食にいたっては、全く・・・


箸もつけなかった。



何が・・・・起こっていた。


何が・・・。


まさか、


死のカウントダウンが



また、


始まったの⁉️

束の間の喜び

お医者さんって、嘘をついてもかまわないのですか?


生死に関わるような嘘を言っても、許されるのですか?


あっちゃんは、1日500mlまでの水だけ許された。


もちろん、絶食、24時間の点滴、そして、友達一号(尿袋)とも離れられずにはいたが、お正月の三日間を過ごすことができた。


毎日、24時間あっちゃんと一緒に過ごした。


朝起きると、まず、顔を拭く。次に、歯磨き。

それから、顔にたっぷり化粧水とクリームをつける。マッサージ。

もちろん、髭剃りも忘れない。

髪は、水のいらないシャンプーで。

毎日、あっと言う間に過ぎていった。

あまり覚えてないけれど、沢山話もしたと思う。


そうよね。あっちゃん。

コンビニを経営するようになって、二人でゆっくり、のんびり過ごすなんて全くできなかったよね。


だから、治るのを待つ看病ならば、希望のある看病ならば、また、元気なあっちゃんに戻るための看病ならば、最高に幸せな時間を過ごしていたと言えるだろう。



治る・・・希望ある 看護なら。



ただ、この部屋では眠れずにいた。


「帰って寝ろ。」


あっちゃんは、何度も言った。


でも、家に帰って眠れる⁇

そんなはずないじゃない。


しかし、私の体もそろそろ限界に達していた。それを、見計らって、娘や義母が変わってくれた。



娘が頼んだらしい。



「おばあちゃん。お母さんを布団の中で

寝かせてあげたい。私がお父さんを看

てるから、何にもしなくていいから、

今日、病院へ一緒に泊まってくれる?」


涙が出た。誇らしく感じた。


娘の優しさに、疲れ切った心が慰められた。


そんな時、主治医から、嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい報告を聞くことになる。


いつもの様に、部屋に呼ばれた。


心臓の音が聞こえるぐらい

ドキドキ、ドキドキ・・。


そして、主治医は、

「峠は越した❗️」と、


はっきり私に言った。


やったー‼️やったー‼️

やったね!あっちゃん‼️


あっちゃんは、死なない。


あっちゃんは、死なない。

やったー‼️


あっちゃんが、奇跡をくれた。


泣いた泣いた。泣いた。



あっちゃんは、生きる‼️


やったね!



そのうち、何故か腹がたってきた。


そして、あっちゃんに、

「大晦日の日、先生に呼ばれて、あっちゃんが、24時間の命だって言われたんよ。皆が、集まって病院へ来たやろ。」



その日の夜、葬儀会社の話までしたことを話した。


話しながら・・泣いていた。


泣きながら・・・・話した。


「ありがとう。あっちゃん。

生きてくれて、ありがとう。」


本当に、そう思った。


生きているだけでいい。


ありがとう❗️って。


でも、あっちゃんは、どう思っていたのだろうか。



後日、聞いた話だか、その夜、沢山の友達に電話をかけていた。


「俺の 葬式を出されるところじゃっ

た。葬儀会社を、どこにするか決めよ

ったらしいわい。」


笑って話していたと言う。



あっちゃんも、死を回避できた事が嬉しかったんだ。


まさか、自分が、死ぬとは、思ってなかったんだ。



嬉しかった。また、涙が出てきた。

良かったね。あっちゃん!



だけど、だけど、


私には、聴こえてた。

あっちゃんの体が悲鳴をあげていることを。


私は感じてた。