間違った選択
あの日、1月19日
15日の日、肝性脳症の昏睡状態から目覚めたあっちゃんは、相変わらず沢山の点滴に繋がれていた。それだけが生きるための綱であるかのようだった。口に入れることができたのは、噴射する水だけ(口の中や喉の渇きを潤す程度)しかし、よく話し元気だった。だから、年末から、ずっと休んでいる職場に、顔を出しておこうと思った。もしこの安定した状態が続くようであれば、職場復帰も考え、あの1月20日の朝、私は、あっちゃんの病院ではなく職場に向かって車を走らせた。
しかし、10時を過ぎた頃、娘からの電話で、急いで病院へ向かうこととなった。
病室に着いてみると、
もう…あっちゃんは、肩で息をしていた。昨日までのあっちゃんではなくなっていた。
話は…出来なかった…。
声は聞こえているようだった。
馬鹿だった!
本当に…馬鹿だった…。
仕事なんてどうでもいいのに・・
どうして行ってしまったんだろう。
と、悔やむことは、今でもしょっちゅうで…息ができなくなるほど苦しくなる…。
今考えても理解しがたい自分の行動だった。
まさか…仕事復帰しようと考えているその日に…逝ってしまうなんて…。
きっと…
一緒にいたかったんだ。
ごめんね…本当にごめんね。
人には…人生を歩み進んで行く途中、必ず人生の岐路に立たされる。
私は、間違った判断をしてしまった。生きていれば…どこかで取り返しもつこうが…。
今…また、私は人生の岐路に立っている。
