もう一度・・・
十年一昔…
「世の中は移り変わりが激しく、10年も経つともう昔のことになってしまう」という意味のことわざ。
ずっと…ずっと昔・・
小さい我が子を車に乗せ毎週のように弁当を持って遊びに行った。
主人は生きていた。
行き先を決めるのは運転をする主人で、私はハンドルを握る主人を頼もしく見つめながら、毎日毎日の育児の疲れを労ってくれるその気持ちに感謝したものだった。休みの度に連れ出してくれた。
ずっと…ずっと昔・・
主人は生きていた。
そしていつも一緒にいた。
その…昔の・・・
ずっと…ずっと昔の娘を…
ふわふわした小さな娘を、この手でこの胸に「もう一度」抱きしめてみたい。
ずっと…ずっと昔の…
いつも隣でおしゃべりしていたあなたに、優しい声のあなたには・・
できれば「もう一度」私の名前を呼んでもらいたい。
十年一昔…
もう直ぐ10年・・・
随分昔のことのような気もするし…
昨日の事のようにも思える。
大きく変わったようで…
全く変わっていないような気もする。
誰とも違う時間軸で生きてきたから…
多分この10年・・・
誰とも違う「10年」だった。
また…
「もう一度」相も変わらず…
同じような10年を過ごすのだろうか。
