絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

人影とあなたの声

 明かりが点いているのは、いつも一つの部屋だけ…だった。


 仕事が終わって誰もいない家に帰り着くのはいつも3、4時間後には「明日」になる時間だった。


 出来合いの物を買って食べて、お風呂に入って、いつも座るソファーに座っていると、いつの間にか眠ってた。

 付けっぱなしになっている電気やテレビを消して寝室に行き、

 そこでまたテレビを付けた。


 興味がある番組がある訳でもないが…。

 何の音も誰の声も息遣いも聞こえない家の中…で、


 そのテレビの音が聞こえることが、「人がいる世界で生きている」証拠になっていた。そして、それは子守り唄のように深い眠りに誘う私の眠り薬でもあった。


 そうして…毎日毎日

 「音」を聴きながら眠った。

 シーンと静まりかえった暗い夜が怖かった訳ではない。が、

 その頃は「独り」を実感するのが哀しくて辛かったのかもしれない。


 それからずっと…

 今でも、

 テレビか音楽か…

 何かしらの「音」が聞こえる中で 眠っている。


 もう…

 主人が「ここ」にいなくても…

「独り」でも…

     辛くて泣くことはないし、

 これが私の人生なのだと諦めもついているのに。


 ただ…

 あっちの部屋も…

 こっちの部屋も…

 電気が灯る時間になると…

 

 すごく!!

       声が聞きたくなる…


    「声」が聞きたくなるのだ!

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