さあ！出発…と・・・

　車を走らせると…

　いつもの街並み…が目に入る。

　しかし今日は、何故が・・・

　その街並み…が

　気温が高かったせいか蜃気楼の中にあるかのように見えて…

　娘達との思い出と重なって…

　出勤前に念入り？にした化粧が…溢れる涙で…なくなるほど流れ・・

　どうしたものかと考えてみるも…

　突然やってくる凹の波…

　主人がいなくなってから…よく起こる体と心の変調。

　ある物は、夢中になって見たくなったり…

　ある物は、心から遠ざけ目を背けたり…

　主人がいなくなってから見れない物がある。

　娘の挙式のＤＶＤ

　年賀状…

　それから…ファミリーマート

　見たくないものが・・・

　　　　　　　山ほど増えた。

　仕事前に携帯を開いた。

　公開したブログに2件のコメントが届いていた。

　出発直前に返信することにした。

　短い文面のあと…

　仕事前であったこともあり「行ってきます」と付け加えて…返信した。

　その時何故か…ホワッとした優しさに包まれたような感じがした・・・

　忘れていた！

「行ってきます」の威力！を…。

　考えてみれば…

　あっちゃんがコンビニを経営するようになってから…

　二人の生活時間がずれ始め…

　私が7時過ぎには職場に向かう頃、あっちゃんは睡眠中で…。仕事が終わって帰れば、今度はあっちゃんが仕事中。私が寝ている頃帰宅するという…。なんとも最悪なパターン。

　思えば…しばらく・・・

　あっちゃんの

「行ってきます」

「ただいま…」を聞いていなかった。

「行ってきます」を言う喜び・・

「行ってきます」を聞く喜び・

　いつでも聞けると…思ってた。

　疎かにしていた大切な言葉の数々…。

　コメントの最後に・・・

　つい…何となく「行ってきます…」と書いたのは・・・

　私が、誰かに…

　家族に…

　言いたかった言葉だったのかもしれない。

　毎日毎日…言いたかった言葉…

　素敵な優しい…言葉…

　何気ない言葉で毎日毎日支えられていたのだと思った。

　繋がっていたのだ…と。

死んだん？

本当に死んだの？

何故死んだ？

眠れない夜は、決まって遺影視つめて質問攻め！

もしも…ここで姿を現したなら・・・

拷問！？ですね。

いや！いや！

そう…は言っても・・・

姿を現してくれたならば、めちゃくちゃに触りまくりますよ！

触りまくって…

抱きつきまくって…

胸で泣きまくります…。

ほら！

ほらほら！

考えるだけで…

涙…ボロボロですから・・・

出てきてください…。

幽霊でいいですから・・・

時に…

恋しくて・・・

愛おしくて・・・たまらない時があります。