絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

「歩く」ことはもう・・一生しない。

静かな部屋の中

世界中に私一人なのではないかと錯覚する。

窓を開けると涼しい風とともに、虫たちの鳴き声が聞こえてくる。何時になっても・・・

よかった!

地球は・・町は、生きているんだ。


スズムシでしょうか。

コオロギ?

クツワムシのようにも聞こえる。


とても淋しげで・・・・

秋が来た事を喜び合っているようには聞こえない。

「楽しい音楽会」のようには聞こえない。

悲しく聞こえるのは、私の心のせいでしょうか。


コウロギは、約一年生きるという。


でも、スズムシの寿命は4カ月だそうだ。6月4日(虫の日)に生まれて、たった4カ月しか生きない。だからなのか、秋に鳴く虫の中で一番スズムシの声が優しく儚く聞こえる。


虫の音を今、目を閉じて聞いてみる。

悲しくなるのはどうしてだろう。

涙が出るのはどうしてだろう。


去年の今頃・・・・

娘の挙式のために2人で本当にダイエットを決意した。(毎年お正月に、春に・・・節目節目にダイエット宣言をする。永遠のテーマだった。実行することが出来ないテーマだった。それでも宣告することで安心した。だから、雑煮も御節も沢山食べていた。)


でも、11月は(去年)娘の、

たった一人娘の晴れ舞台だから・・


2人共真剣だった。いつになく!

1月・・・

1年の計は元旦にあり・・だから


「あっちゃん!明日から歩こうや!」

「いやいや!寒いから少し暖かくなってからにしよう。」


3月・・・私の仕事が忙しくなる。この時期、コンビニのスタッフの入れ替え(入学や就職などでスタッフが辞めてしまう)などもあり、春は、忙しさに感けて・・


7月・・・

「そろそろ歩こう!」

「いやいや!暑いから涼しくなってからにしよう。」


そして、9月・・・

「歩こうや!」

しぶしぶ・・・

「おう」


あの時も虫は鳴いていたのだろうか。不思議なことに、全く虫の声を聞いていないように思う。


2人で一時間ぐらい歩いた。

たわいもないこと話しながら・・・

あっちゃんは、ゆっくりゆっくり


「おそい!速く!」


きっと、その頃から体がしんどかったのだろう。(気づいてあげれなくてごめんね。)

結局、三日坊主ならず、2日で「歩く」ことを止めた。


今思えば、その頃あっちゃんは、少し痩せてきていた。後で知ったことだか、夏から大好きなお酒を止めていたそうだ。だからか顔色も少し良くなっていた。

娘のためだったら、お酒を止めることもできるのだ。


あっちゃんは、娘の挙式に人生を懸けていたから。以前話したように、「娘の挙式」が、自分の人生の最高潮だから。その後のことは・・・私がいるのに・・・どうでもよかった。


まだ、鳴いている。

私も一緒に泣こうかな。


虫の声が悲しいのは

「一緒に歩く人」が

いないからかもしれない。

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