絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

あの世はある!

 主人が愛した犬…リリィを家から追い出したのは私でした。


 どこのペットショップで、いくらで買ってきたのかも知らない、ミニチュアダックスフンドのリリィ。


 始めは手のひらに乗るぐらいの白くて小さな小さな赤ちゃん犬でした。動物は嫌いではありませんが、仕事もしていたし、世話ができないことは目に見えていたので…

 しかも家の中で飼うことが当時私には理解出来なかったことで…


 しかし、主人と娘は考えました。


 私が家の中で飼うことを許可する方法を…。

 その赤ちゃん犬に、私の母の名前を付けることでした。


 リリィ…


 2、3日は私達の家で過ごしました。小さくて小さくて…弱々しくて…それでも、夜中に、「クゥーン!クゥーン」って鳴くのです。


 小さな声ですが・・・

 それが…気になって気になって…


 毎朝6時には起きなければなりませんでしたから…毎日続くとなると…。


 だから…出て行ってもらいました。

 もちろん!主人と娘は悲しみました。

 でも!

 後ろの義父母の家に出て行ってもらいました。


 それから16年…家族の一員として…愛されて過ごしました。


 主人はほとんど毎日リリィに会いに行きました。たまに我が家にも抱いて帰って来て遊んでいました。


 そしてリリィは…

 主人を見送りました。

 その後も私達が淋しくないようにそばにいてくれました。少しずつ元気を取り戻す義父母の姿を見て安心したかのように…その4年後息を引きとりました。



 昨日…リリィを抱いた主人が夢に出て来ました。


 やっぱり、あの世はあるのだと思いました。亡くなったら…会えるのだと安心しました。

 そしたら…嬉しくなって朝から号泣です。


 まいった…

 まいった!

聞いて!…という勇気

 手を差し伸ばさなければ…わからないことが沢山ある。

 しかし人は、そうすることを…「弱み」を見せることを…良しとしない。

 愛し合う関係にあっても・・言える。愛し合う関係だからこそ…とも考えられる。


 主人は常にポジティブだった。

 弱音一つ吐かない。

 

 私が、

 たまに愚痴を言う時も…いつも

 面白おかしく冗談で返した。


 笑って…終わりだ。

 だから…私も終われた…


 

 誰かに話すことで楽になる。

 そんなものだ。

 口に出すだけで納得する。

 諦めることもできる。


 聞いてくれる人がそばにいれば…それでいい。

 


 …この6年…

 私はほとんど話さなかった。

 「弱み」になりそうで言えなかった。理解できる訳がない。「死別」の苦しみなんて…本人にしか分からない!っと思っていることも理由である。


 しかし、そうすることで「楽になったか」っと言えばそうではない。何が正しいのか未だに分からずにいる。

 

 ただ…生前・・・

 主人は誰にも話さなかった。

 病気の事

 体の事

 仕事の事

 お金の事…

 全部!全部!


 男の人はそうなのか…

 人によるのか…

 主人の性格なのか…

 分からないが…

 何も言わずに逝った・・・。

 

 夫婦だったら、手を伸ばさずとも、話さずとも気づいて行動しろよ!って話だろうけれど…。



 共に解決できなかったことが、今も私を苦しめている。

 頑固なほどの「優しさ」だったと今となっては納得するしかないが…。


 聞いて…

 助けて…っと言える勇気を持ちたい。

失われた日々に想う…

この6年…

私は…ちゃんと生きてきたのだろうか。


失った数々のものが…

多すぎて…

そして大きすぎて…


今になって…

振り返り少しだけ・・後悔する。



この6年間…

「哀しみ」を理由に…

全てのことから逃げ…

そんな私は、まるで罪を犯して生きてきたように…

ひっそりと・・・⁉︎


哀しみ中でも何か出来たかもしれない。

踏ん張れば何か生まれたかもしれない。


だけど…そんな力…

出せなかったし…

残ってるなんて…思わなかった。


この・・・6年…


なんか…口惜しい…